映画:燃ゆるとき

gladson2009-03-04

ジャパシネ「燃ゆるとき(2006年)をみる。


即席めんを主力商品として、アメリカ大陸にも拠点を置く食品会社・東輝水産は、安価な新商品を売り出すアジア各国の企業に押され気味で、工場再建が不可欠となっていた。社長と現地法人の社長の命で単身渡米した資材担当・川森は、さっそく再建に着手する。

まずは現地従業員の一時的なレイオフ。そして大幅なコストカット。さらにアメリカ人の嗜好に合う、新たな安くておいしいカップ麺の開発。古株社員と対立しながらも再建は進められ、新発売されたカップめんの評判は上々、すべては順調だと思われたが…。

実在する食品会社をモデルにした「燃ゆるとき」「ザ・エクセレント カンパニー/新・燃ゆるとき」(原作は「金融腐蝕列島−呪縛−」で知られる経済小説の第一人者・高杉良)をもとに、骨太な作風で定評のある細野辰興監督がメガホンを執った。商品開発と会社再建に命を賭けたサラリーマンたちの姿を描き出している。そう、

プロジェクトX」のようなドキュメンタリー映画『陽はまた昇る』のような実録ものに感動を覚えた人は、心を熱くせずにはいられないだろう。会社の成長、その過程で個々のサラリーマン、そして家族はどうあるべきなのか。その問いに力強いメッセージを送ってくれる作品だ。

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組合を作って、会社を弱くして買収を企てる投資銀行と、それに利用された美人従業員によるセクハラ疑惑で首になりかかった川森の対決が息をのませた。最後の「アメリカは怖い」は、身に迫る声である。