霞ヶ関埋蔵金男が明かす「お国の経済」

8月4日(月) 晴れ
26℃、45%、28℃セット(冷房)
27℃(朝外気温)、29℃(朝室温)、33℃(外気温12.00)



今日も暑い。道で会った近所の人との挨拶は、一様に「暑いですね」


高橋洋一著「霞ヶ関埋蔵金男が明かす『お国の経済』」(文春新書、2008年5月発行)を読む。
「経済低迷の主因は財務省と日銀の経済オンチにある。・・・高校1年生〜財務官僚・日銀マン向き」と帯に載っているが、結構難しい。分るところもある。分かって、なるほどと思った点をメモする。

・固定相場制のもとでは財政政策は完璧に効いて、金融政策は効かない。逆に変動相場制になると、金融政策しか効かなくて、財政政策は効かなくなってしまう。変動相場制のもとでどうして財政政策が効かないか。財政政策をやるときには国債を発行して公共投資をするのが一番典型。国債を発行して民間から資金を集めると、金利が高くなる。金利が高くなって円高になると、公共投資をして内需を増やす一方で、円高になるから輸出が減る。そうすると公共投資の増が輸出減で相殺されてしまう。輸出減の一方で輸入が増えるということは、他国の輸出増になる。要するに公共投資の効果は他国の輸出増になってしまう。
変動相場のもとでは金融政策がなぜ効くかというと、金融政策は金利を下げて需要を増やす。金利を下げるから、為替が円安になって、輸出増になるわけ。だから、金利を下げると設備投資の増加にもなるし輸出増にもなるから、けっこうそれなりに効くわけ。(中略)

90年代の世界不況の中で、ほかの国はこんなバカなことはしないから、そんなに国債は増えないんだけれど、日本だけ国債がフワット増えている。それはほかの国にとっては日本に対する輸出増につながるので悪いことでないから、みんな黙ってニヤニヤしていた。日本の公共投資の効果は全部国外に流れていたんだ。海外の国が誰も注意しないのは、当たり前。はっきりいえば、バカなことをやっているね日本は。で終わり。

お人よしの最たるものが、「機関車論」でしょう。日本と西ドイツが先頭に立って世界の景気を引っ張ってくれと1978年のボン・サミットでおだてられて以来、1980年代、ずーっと調子に乗って、内需拡大で突っ走って、結果的には債務残高がすごくなってしまった。経済政策の無知なんです。

(中略)景気対策のための財政政策というのは実は前から効果がなかったんだけれど、遅ればせながら、ようやく小泉さんになって始めて止めた。

(中略)国会議員は自分の選挙区のことだけ考えているでしょう。そういう人が中心になって国の政策を動かすと、公共投資をいくらしても全然効果が上がらないで、借金だけが積み重なっていく。それが現に行なわれてしまったんだよ。非常に悲しい話なんだけれど、現実はそうですね。


・最近、原油価格の高騰で物価が上がってきたが、こういう時はお金を海外にとられる。だから、国内の所得を埋める分だけお金をつぎ込むんだ。つまり金融緩和をすればよい。