「勝つ日本」

7月23日(水) 晴れ
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家内が藤沢へ行ったので、お留守番。


田原総一郎vs石原慎太郎対論「勝つ日本」(文春文庫、2000年初出)を読む。ほぼ同年生まれだが、改憲などでは意見を異にする二人が、「この日本を世界に誇れる国にしたい、そのためには思い切った改革が必要である」という見地からの、多くの分野についての対論を纏めた本である。なお本書は、小泉政権ができる前に発行されたものである。印象に残った点を2,3メモする。

・ 田原「中曽根さんまでの総理経験者は、それぞれ政治家として総理大臣になるための何らかのメッセージを持っていた。田中角栄は日中国交回復、中曽根は行革、竹下は消費税と、それぞれ大きな仕事をやっています。竹下さん以後、メッセージはなくなってしまった。竹下さん以後、そういう用意もなければ決意もない人が次々と首相になってきた」
・ 石原「竹下登という政治家は私にとってなんともなく不気味な存在だった。竹下氏は自らを『言語明瞭、意味不明』と評していました。言語を信じない竹下氏は何を信じたのか。結局、カネとカネがつくる人間関係だけでしょう」


感想:今世紀に入り、郵政改革に情念を燃やした小泉総理と、憲法改革など様々なメッセージを発した安部総理が続いたが、安部が病気で倒れた後の火中の栗を拾った福田総理は、追い込まれてやむを得ず、道路財源の一般財源化などというメッセージを発したが、いまの所本当にやる気があるのかどうか分からない。


・ 田原「沖縄サミット(2000年開催)で、IT憲章が採択された。その中で気になることがある。先進国、途上国のデジタル・デバイド解消のため、日本が今後5年間、途上国に対し情報インフラ整備などに、150億ドル(約1兆6千億円)の資金を提供するというのだ。このカネを支払うのは日本だけ。アメリカもヨーロッパも、『いくら出します』などとは一言も言っていない。
日本はIT先進国ではなく、むしろ後進国だ。例えば人口1人当りの普及状況で、インターネットは世界21位、携帯電話でさえ世界17位だという。発展途上国のインターネット基盤整備に、まず必要なのはルータだという。このルータは、アメリカのシスコ・システムズが、世界の83%をしめている。(富士通は2%程度)。要するに、日本が出す150億ドルで、世界の途上国はシスコ・システムズの機器を購入し、米国のインターネット戦略に組こまれるということだ」
石原「国家戦略を考えるよき、情報をいかにして集め、利用するかはきわめて重要な問題です。日本は情報戦略において、アメリカの足許にも及ばない」


感想:聞けば聞くほど、呆れた馬鹿げた話で、ハラワタが煮えくりかえる。嫌がるクリントンに、かっての日米激戦地沖縄にどうしても来て欲しかったためのサービスだったのだろう。案の定、クリントンは遅刻した。