日本経済

6月23日(月) 曇り、時々小雨
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19℃(朝外気温)、23℃(朝室温)、21℃(外気温:12.00)



夕方、近所の一回り散歩をした。


録画で、ドラマ「流転の王妃、最後の皇弟」を視る。史実に基づいて作られたドラマなのだろうが、傀儡国満州国の都新京(長春)で、関東軍が横暴を極め、満州人(中国人)をいじめていた様子がリアリティをもって描かれており、日本人として恥かしく、みるに耐えなかった。その中で、国際政略結婚の生け贄とされた王妃、皇弟の夫婦愛が美しく描かれていて、泥沼の満州時代の清涼剤となっている。街の所々に掲げられた「五族協和」の文字が嘘っぽい。若い中国人は、このドラマをみてどんな感想を抱くであろうか、興味深い。


財部誠一「東京から日本経済は走り出した」を読み終わる。この本が書かれたのは2003年末であり、以後約5年間、サブプライムローン危機が起こる最近まで戦後最長といわれる好景気が続いた。2003年の4月は株価がバブル後最安値(7607円)をつけ、不況の真最中であった。人心は暗かった。その頃、東京の都心部で起こりつつあった変化に気付き、今後日本経済は明るくなると予言した著者の慧眼に敬意を表する。当時この本は売れなかったそうだ。つまり景気回復を信ずる人が少なかったということだろう。


著者は「日本は歳をとりすぎた。老人のようだ。猜疑心とひがみばかりがつよくなり、新しい価値観を頑として受け入れようとしない。変化の質を問うことなく、変化そのものが嫌悪の対象となってしまう。・・・日本人はあまりに自虐的すぎる。だが東京でいま起こっている事実を見れば、明るく前向きに生きようという気持ちが湧いてくるはずだ」と述べている。

当時の東京の景気回復の例証として、ルイ・ヴイトンなどのブランド店が銀座地区その他のあちこちに二店目、三店目を出店し始めたこと、東京の再開発建設ラッシュ(六本木ヒルズ、丸ビル、汐留シオサイト品川グランドコモンズ、秋庭原ITセンターなど)、DVDレコーダー、デジタルカメラなどのヒット商品によるエレクトロニックス業界の復活、中国特需による、重厚長大産業の復活など挙げている。その内に、銀行の統合によって廃止された銀行支店の跡に、ブランド店が入居するなど皮肉な現象もある。

著者は、再開発地の高層ビルに世界的に名の売れたホテルが入居することに目をつけて、観光立国を叫んでいるが、これは難しそうだ。

小泉政権による都市再生特別措置法が、再開発ラッシュを容易にしたという。
読後、経済活性化に及ぼす外資の効用について再認識した。