小説:日銀崩壊

5月18日(日) 晴れ
25℃、50%、22.5℃セット
18℃(朝外気温)、22℃(朝室温);23℃(外気温)(12.00)


昨日の疲れで、今日はおとなしく、家でブラブラ過ごす。


録画で映画「白いカラス(2004年)」を視る。特に感動をそそる映画ではないが、人種差別、家庭内暴力ベトナム帰還兵の心的外傷後ストレス障害、人々の孤独感など、アメリカが抱える様々な問題を、妻に先立たれ田舎に隠棲して、若い恋人におぼれるユダヤ系元大学学部長を中心にして描いている。同様な問題を日本も抱えているだろうが、この映画に描かれるアメリカほど深刻ではないようだ。


杉田望著「日銀崩壊」(徳間文庫:初出1998年)を読む。ノンフィクションのようなフィクションである。総裁、副総裁の名前が実名で出ている。本書で非難された三重野、松下総裁の憤慨が目に浮かぶ。接待疑惑、闇給与などで揺れ動く日銀内部の動きを見たように描いている。小説の主人公の企画広報課長は闇給与の情報公開を速水新総裁に直言して、鹿児島支店長に飛ばされた。杉田は、高杉よりも筆力が劣るようだ。


今日の朝日によると、「日本政府として京都議定書は批准するが、国内排出量取引制度を初めとする強制的措置は課さない・・・」と、02年の議定書批准の際、経産省経団連との間で確認した。外部には公表されず、文書にも残されていない。こういう密約が、福田首相が2050年時点を見すえた国内の温室効果ガスの長期的な削減目標を洞爺湖サミットで表明する際の足かせになっているそうだ。
2050年時点の日本経済規模は中国の10分の1以下、インドの5分の1以下で、しかも今の当事者は生きていないから、長期的目標が達成されなくても、疵は浅いそうだ。お淋しい話である。