日本の黒い霧

4月6日(日) 晴
24℃、36%、24℃セット
17℃(朝外気温)、17℃(朝室温);18℃(外気温)(12.00)


午前中は、各テレビ局の報道番組を渉りあるく。司会者(田原)が、鋭く突いていた。福田は4月末に暫定税率を再議決するというが、この場合、道路特定財源の一部である暫定税率が今後10年間続くことになる。一方福田は、2009年度からの道路特定財源一般財源化を国民に対して約束した。この矛盾をどうするか。なるほど頭の体操によい問題である。
少なくとも朝日新聞では、こういう議論は見れなかった。むしろ某編集委員は、福田が一般財源化に踏み出したのは、公共事業偏重型の財政構造を、生活者本位に転換する「大改革」の好機だから、このチャンスを見逃がさず民主党自民党との協議に応ずるべきだ、と論じている。最近の朝日はおかしい。民主党が福田を追い込んで解散、総選挙で勝てば、どのタイミングでも、一般財源化を含む「大改革」を実現できるのである。

なお共同通信社が4,5日に実施した電話世論調査では、内閣支持率は26.6%に落ち込み、再議決への反対も64.4%に上り、支持する政権の枠組みでは「民主党中心」が39・8%(2・5ポイント増)で、「自民党中心」の32・9%(5・6ポイント減)を上回ったそうだ。


松本清張著「日本の黒い霧(上)(下)」(1974年第1刷発行)を読み終わる。1960年に文芸春秋に連載されたものを文庫に纏めたという。黒い霧は戦後の、GHQが支配していた時代に起こった不可解な事件:下山国鉄総裁轢死、もく星号遭難、昭電汚職、造船疑獄、白鳥事件、ラストヴィロフ事件、伊藤律、供出ダイアモンド、帝銀事件、鹿地亘事件、松川事件、追放とレッド・パージなどについて皆GHQが関与していたと、鋭い推考をしている。しかも、これらは、朝鮮戦争の真実に達するための準備だと、最後の章「謀略朝鮮戦争」で、著者はいう。そして朝鮮戦争は南がしかけたのでないかと匂わせている。どれも私の青春時代の出来事なので、若き日を偲び、感慨にふけりながら面白く読めた。
最後の1節で、著者は「極東のどこかに『第二の朝鮮』が発見されたときは、第一番の滅亡の危機が日本を襲うことは間違いないであろう」と結んでいる。ヴェトナム戦争を予見している著者の慧眼には敬服するが、日本は滅亡することなく、幸いにも今なお生き続けている。