小山完吾日記

3月30日(日) 曇り
9℃(朝外気温)、15℃(朝室温);11℃(外気温)(13.00)




薄ら寒い。
午前中は、報道番組を渡り歩く。
フジテレビ報道2001の竹村健一(78歳)が今日から引退ということで、花束贈呈の卒業式が行われていた。「金持ちはどんどん金儲けしたらいい。そしてそれをどんどん使えばよい。それによって、お金が循環して、働く人にお金が回る」という趣旨のことを、今日も言っていたように、根からの自由経済主義者である。そのせいか、中曽根大勲位や中川自民党政調会長などが式に参列していた。一つの時代が終わったという感じである。


先日買った「小山完吾日記(昭和30年発行)」を読み終わる。筆者は福沢諭吉の長男の女婿で、新聞記者、代議士、実業家などの職歴を有し、西園寺公望公、近衛文麿公などと親交があったが、栄達を求めない憂国の士だったようである。この日記は、5.15事件(昭和7年)から昭和17年1月13日までの間、密かに書き貯めておいたもので、死期を悟った小山氏が小泉信三氏に托した由。


当事の政界の裏面や西園寺公望公、近衛文麿公などの人柄、首相の人選等について忌憚のない描写があって面白かった。
(追記)の「開戦後は、将校軍隊を亡ぼし、軍隊国家を亡ぼし、国家国民を亡ぼす。万事休すとの感強く、日記も認めず、そのまま終戦にいたれり」で終わっている。


なお、刊行にさいして小泉信三氏に托した自序の中にある、次の1節に同感した。
「明治いらいの、忠君愛国一点張りのわが国教育方針の余毒は、日清日露両戦役の勝利と、第一次世界戦争の余徳とによる国民の経済発展に従って、国民の気驕り、国家独善、日本民族の優秀性を過信する弊を助長し、ついには、外国の勢力を無視して、自国の利益のみを主張するという、利己的国民性を造りあげた点は、大いに反省を要することと思う」