海軍主計大尉小泉信吉

3月26日(水) 晴
24℃、39%、25℃セット
9℃(朝外気温)、17℃(朝室温);19℃(外気温)(12.00)


深沢の病院へ行き、芍薬甘草湯およびポルタレンゲルを貰う。どちらも睡眠中の足の釣りと痛み対策用である。鎌倉山の桜が3部咲きで、いよいよ春めいてきた。そういえば、昨夜激しい春雷があった。


小泉信三著「海軍主計大尉小泉信吉:文春文庫1975年第1刷発行」を数日かけてやっと読み終わる。高名な経済学者であり、慶応義塾大学塾長でもあった小泉氏が、戦時中の昭和18年春〜同19年4月2日の間に書いた、1人息子(他に2女がいる)であり、南太平洋で散った信吉氏の伝記である。例えば、妻(母)の歌として
「大洋の藻屑となるも悔いなしと いいて征きぬ子は大御戦へ」
が記されていうように、当然、戦時色の強い内容である。戦争が、生き残った身内にとっても、いかに悲惨なものであるかを語っている。読みつがれるべき良書である。
最後の方で、「信吉の一生は、平凡な一生であった。彼は平凡な家庭に生まれ、平穏無事に成長した・・・」とある。しかし信吉氏は幼稚舎からの慶応ボーイのそうだ。恵まれた家庭に育ったといえるのでなかろうか。このような良い環境(国)を守るために、所謂ノーブレス・オブリージを果たしたのでなかろうか。貧乏サラリーマンの息子だった戦時中の私には、進んで命を国に捧げるようなノーブレス・オブリージという高貴な観念は湧かなかった。本書を読むと、慶応の学生はノーブレス・オブリージが強かったようである。

また敵艦撃沈で喜ぶ精神状態にも違和感を覚えた。撃沈された敵艦の乗組員にも、それを悲しむ家族があるのである。戦争をしてはいけないと痛感させる著書である。


ところで、政界は今ごたごたしている。ガソリン価格の25円引き下げはどうやら実現しそうである。ここで大混乱が生じた方がよい。