中国人研修生と物ツクリ

1月28日(月)薄晴れ
21℃、33%(就寝前加湿)、24.5℃セット
2℃(朝外気温)、10℃(朝室温);7℃(外気温)(15.00)


昨日した録画を視て過ごす。


その内の一つである「NHKアーカイブ」では、昭和45年頃に大きな問題になった薬害、整腸剤キノホルムによる薬害、スモン病サリドマイド児)やクロロキン剤による網膜障害などを報じていた。中でもキノホルムには深い思いがある。何故なら、当時私はキノホルムを常用していたからである。この薬は確かによく利いた。幸いにも、私は深刻な副作用を受けなかった。しかしその薬害を聞かされてからズバット呑むのを止めた。
最近の血液製剤による肝炎問題にいたるまで、国の薬害に対する当時の反省が不十分なのを改めて痛感した。


他の番組「第16回FNSドキュメンタリー大賞」では、福井県の片田舎でひっそりと縫製作業をして働く中国女子研修生3名の姿が感動的に描かれていた。3人とも30〜40歳で、故国にいる親、夫、子供のために金を稼ぐために日本に働きにきているという。稼ぎの目的は、子供をより良い学校に入れるため、あるいは家の改築などである。工場の工員は彼女ら3人だけで、経営者の70代老夫婦以外には日本人はいない。月給は10万円とのことで、これでも中国の約4倍はあるようだ。職場の隣に寮があり、食事は自炊で、野菜などの食材は、農業を営む経営者が差し入れてくれるという。老夫婦はわが子のように、彼女らに接している。彼女らは、間もなく研修期間(3年?)が終わって帰国するらしい。ここは、ミズノの下請け工場のようである。


同じく福井県にある、外国人研修生のお蔭で存続している鋳物工場が紹介された。ここでは工作機械用部品(鋳物)を作っているが、日本の若者で寄り付く者はいないそうだ。やがてここも廃業に追い込まれるだろう。


学者や評論家は、日本は‘物ツクリ’で今後も生きていけると、呑気なことを言っているが、‘物ツクリ’大国は足元から崩れかかっている。

研修生制度は、日本が外国人肉体労働者を受け入れないための隠れ蓑に利用されているというが、この制度がなければ、日本の産業は成り立たない所まで来ていることを切実に感じさせる番組だった。


NHKのETV特集「禁じられた小説 7000枚の原稿が語る言論統制」では、織田作之助の未発表の「続夫婦善哉」の原稿が70年ぶりに発見されたと報じていた。この小説が未発表に終わったのは、戦時中の厳しい言論統制のせいであるという。雑誌「改造」や「中央公論」が廃刊に追い込まれた事情を、当時の編集者の声をまじえて解説していた。