ノンコーディンRNA

1月26日(土)薄曇り
21℃、35%(就寝前加湿)、24℃セット
2℃(朝外気温)、9℃(朝室温);7℃(外気温)(12.00)


寒いので一日中部屋に閉じこもって、今暁録画した、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」などを視る。今月は地球温暖化がテーマである。日本だけが頑張ってもどうにもならない問題である。熟知した内容の発言が多く、軽い気持ちで視聴することができた。初耳と思われる情報は特になかった。


最近視はじめた、TBS金曜ドラマエジソンの母」という番組が面白かった。童話を使って小学1年生に倫理(優しさの大事)を教える時間の父兄参観日に、未来のエジソンに擬せられた早熟の頭のよい子が大人の欺瞞を無意識にあばいてしまい、父兄のボイコットを食らうという大筋。このような天才を育てる母親とはどういう女性なのだろう?その苦労は深いようだ。先生も大変だ。その周囲の人たちの苦悩のドラマが面白い。


次にNHK「サイエンスゼロ:ミクロの新大陸」を視た。生命科学についての従来の認識を一変させられた。この分野の進展は急速である。高等動物であるヒトのDNAの数は約22、000個といわれている。ところが原始動物の線虫のそれもほぼ同じ数のそうだ。そうとすると、生物の形質をDNAのみで決定するのはおかしい。形質に大きな影響を与えるのは、ノンコーディングRNAだという。家の建築に譬えれば、DNAは設計図であって、ノンコーディングRNAは、この設計図に基づいて、家を建てる棟梁(現場監督)だという。その数はヒトが23、000個であるのに対して、線虫はたった1,300個のそうだ。これで遺伝情報の仕組みが多少納得できる。

ノンコーディングRNAを利用した、副作用のない胆管ガンやアルツハイマー治療薬の研究開発が、名古屋大学濱口研究室ですすめられているそうである。

更に詳しい内容を残すために、NHKオンラインから以下の記事をコピーした。

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生物の細胞の中ではDNAを中心にさまざまな生命活動が営まれている。その中でいま、RNAと呼ばれる物質が注目されている。従来から、RNAはDNAの塩基配列をもとに生体を作る重要なタンパク質を合成するという働きが知られてきた。しかしRNAでもタンパク質の合成に直接関わらない「ノンコーディングRNA」が続々と発見されている。

 今までDNAの塩基配列の中で、タンパク質合成に関わる遺伝子は全塩基の2%程度で、残りはジャンクDNAとさえ言われてきた。ノンコーディングRNAはそのジャンクDNAの部分から合成される。生体内では、DNAの情報をもとにさまざまな指令が出されているが、ノンコーディングRNAはいってみれば、それらの指令のスイッチをオフにするような働きをしている。たとえば、ある指令をストップさせることで別の指令が有効になり、次なる成長段階へと進むという役割だ。つまり、DNAの情報をもとに出されるさまざまな指令を制御し、生体反応を規律正しく起こす働きをしているのである。
 多様なノンコーディングRNAの発見は生命科学の分野で「新大陸の発見」とまで言われる。そしてこのノンコーディングRNAの数の多さこそ、人類など進化して複雑な体を持てるようになった理由ではないかと考えられている。
 指令をストップさせるノンコーディングRNAの働きを利用した薬の開発も進んでいる。例えばがん。がん細胞は増殖するときにDNAをもとにタンパク質を合成するが、そのときにできるメッセンジャーRNAの機能を止めるノンコーディングRNAを働かせることで、タンパク質の合成を阻止し、がん細胞を破壊することができる。この方法は狙った細胞をピンポイントで破壊することができるため、がんだけでなくウイルスに対しても高い治療効果が期待されている。
 ミクロの世界の"新大陸"ノンコーディングRNAの機能と、それを用いた医療への応用に迫る。