サブプライムの悪夢

12月20日(木)晴れ
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文芸春秋新年号に「2008サブプライムの悪夢」というタイトルに、「世界経済が激震。日本をも襲う『不確実性』の闇」というサブタイトルをつけて、慶応大学教授の竹森俊平氏が素人にも分かり易くサブプライム問題の解説をしている。


末尾の次の文章が特に印象に残ったので、記録に留めておくことにした。

バブル崩壊を受けた90年代の日本では、金融機関の組織絡みの、いや国家ぐるみの、損失の隠蔽が続けられた。引き当てもろくにせず、その結果、それまで不良債権の問題はないと公言していた金融機関が97年、98年に続々倒産する。これによる経済を包む「不確実性」の闇はますます濃くなった。投資家は縮こまり、貸し渋りも深刻になって、日本は「失われた10年」の長い不況に突入する。

そうした問題の隠蔽、先送りという日本の組織の悪しき伝統は、社会保険庁の5千万件に及ぶ公的年金の記録漏れという、歴史上類例のない悲惨で、非人道的な事件にそのまま引き継がれている。いまなお日本における最大の「不確実性」は、サブプライムではなく、官庁をはじめとする組織の不透明性にあり、それが統治機能を弱めていると筆者は考えている。予想される2008年の経済混乱の最中で、ねじれ国会の下での日本の政治が、統治機能を果たせるか。これが日本の次の十年を決めるだろう。