年金記録は取りもどせるか?

12月19日(水)薄晴れ
22℃、36%(就寝前加湿)、23℃セット
3℃(朝外気温)、12℃(朝室温);12℃(外気温)(11.00)




今月14日から始まった微熱気味(といっても最高36.9℃)がやっと、今日収まったみたい。今年の春の流感の時もそうだったが、安静日を14日も要したということになる。今後は、風邪が治るのに2週間が目安となる。



17日(月)にNHK総合で放映された番組「年金記録は取りもどせるか」の録画を視る。この番組は、記録の照合作業を進めてきた社会保険事務所(主に神奈川県内の)に、7月ごろからカメラを入れて、照合の実態を追跡したものだという。よくも、あの秘密主義の役所が許したものだと感心した。流石はNHKである。社会保険事務所の好意にもかかわらず、キャスターは容赦なく、“あまりに杜撰な記録の実態が見えてきた。宙に浮いた5千万件のうち、4割は特定が難しい”と苦言を呈していた。

‘杜撰’の例を以下に紹介する。昭和30年代までは姓名をフリガナをつけない漢字だけで記録していた。そのため、例えば「槙田」が「植田」として記録されていた。昭和40年頃から、カナで管理するように変った。そのための混乱も生じたが、修正を先延ばししていた。なお昭和60年までの記録は手書きのために、字が不鮮明になっている。

年金番号だけで、氏名のない記録も多々あるので、上層部はその1件の補正に12分かかると想定して、この記録補正は9月から初めて11月末には終了するという計画を立てた。しかし実際に始めてみると、1件に半日もかかるものが現われてきて、難航のすえ諦めて、遂に先日の舛添厚生大臣の白旗となったようである。
例えば、同じ年金番号の人が二人いた。それは‘9‘を’1‘と間違えて入力したせいらしい。その他にも、アルバイトのキーパンチャーの無責任による入力ミスが多い。

このようになってしまった原因を私なりに推考してみるに、(1)社会保険庁が一種の独占企業で、競争がないので、職場が無くなるという不安感がない。(2)保険庁や保険事務所の職員は、定年後に社会保険労務士の国家資格を取得するのが容易な特例があるなど、いわば一生の生活が保証されているので、保証されていない会社員などの不安な気持ちが分からない。それで杜撰な仕事に罪悪感をもたない。

2年後の民営化後も上の状態が続くならば、問題は再発するであろう。


古いメモ帳をめくって、昔を偲んでいたら、昭和50年の給与所得源泉徴収票が貼り付けされているのを見つけた。消えかかった数字を虫眼鏡を使って苦労して読み取ると、当時は年間20万円位の社会保険料を払っていたようである。その中には健康保険料、雇用保険料も含まれているだろうから、それを除いて年間10万円ほどの厚生年金保険料を払っていたとみられる。それが今では年250万円程の厚生年金に大化けしている。年金制度は、正しく機能すれば、国民の老後にとって素晴らしいものである。

政府は、年金を含めて「社会保障国民会議」を来年早々にも開く構想とか、新聞は伝えている。消費税増税を睨んでいるらしい。動機は不純のようだが、一歩前進かもしれない。