迷走日本の原点

10月24日(水)晴れ
25℃、42%、23℃セット
13℃(朝外気)、21℃(朝室温);20℃(外気)(13.00)


櫻井よしこ著「迷走日本の原点」(2003年発行;新潮文庫)を読む。女だてらに防衛、徴兵とか憲法改正さらに靖国参拝と、並みの男(私のような)よりも勇ましい櫻井よしこの原点を見てみたいと思ったからだ。
彼女は日本人を両親に持つベトナム生まれ(1945年)とかで、出自からして変っている。最終学歴はハワイ州立大学歴史学部。つまり世界的、歴史的視野で日本を見ることができるという素地がある。彼女の考えは好きでないが、公平に、永い目でみれば、彼女の右翼的思想は当っているのかもしれない。

本の内容は、自分の信念に都合よいこと選びで、戦後の日本の歴史を政治、経済、税制、教育、防衛、外交、農政などの視点から回顧している。中には、ハーっとするような記事もある。

例えば、「池田は、安保改定を見届けて辞任した岸を後継した。騒然とした世論を鎮めるために池田は、寛容と忍耐、低姿勢を掲げた」とある。‘池田‘を’福田‘、’岸’を‘安倍’と、さらに‘安保改定’を‘国民投票法成立’と読み替えてみると、歴史は繰り返すという言葉が当っているようである。

税制について、「赤字になれば税を免除し、(略)現行税制での下で、いかに利益が上がらず非高率な経営にみせかけるかが、経営者の頭の使いどころにたってしまっているのだ。(略)無能力経営者を育てるのが現在の税制である」とあるが、小泉改革後の現在もそうであろうか?さらに、「特別措置をなくせば、所得税は一律10%程度での大丈夫」というが、どうだろう?