新・西部王国


10月23日(火)曇り
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上之郷利昭著「新・西部王国」(1987年発行:講談社文庫)を読む。
昭和60年頃の西部王国全盛時代の、宿命の異母兄弟である義明、清二が展開する対決の経営戦略について述べている。

清二は大学生時代に、父康次郎に「あなたは、ふた言目に堤家のためとかいろいろ言うけれども、私はあなたの思想が分からない。(略)財産や事業の相続権を一切放棄します。(略)」という絶縁状を書いたそうだ。
一方、義明はつねに父康二郎を尊敬してきたという。弟義明が、堤家の12兆円ともいわれる巨大な財産を全部相続した理由は、この辺にあるようである。

バブルは弾け、兄清二が率いるセゾングループは破綻したが、清二は詩人、小説家として健在である。

弟義明は、バブルこそ乗り切ったが、西部グループは解体。2005年には証券取引法違反で有罪確定したのは、世人の記憶に生々しい。今は過去の人になってしまった。“人生泡沫のごとし“とは、古人の言うとおりである。