機能性胃腸症

安倍首相は腸が弱いといわれていたが、この度緊急入院した慶応病院の医師団の発表では、病名は「機能性胃腸症」という聞きなれない言葉である。ネットで調べてみたが、日本人の4人に1人はこの症状を抱えている、ストレス性のものであるという説明であって、何のことだか頭が悪い私にはよく理解できない。


実は、私も若い時から腸が弱く、下痢をし易い。体質的のもののようだ。その点で安倍さんに同情していた。今は毎日が日曜日で、ストレスは皆無である。それでも腸の具合が悪い日が多い。したがってストレス説には頷けない。周りを見ても、私のように腸が弱い人間がいない。したがって4人に1人説も頂けない。

医者に症状を訴えても、薬を処方するたけで、病名を云ってくれない。「ガンではない」というのみ。要するに命にかかわる病気でないから、心配するなということらしい。命に関係ない症状は研究対象にならないらしく、病名もハッキリつけられないのだろう。過敏性胃腸症候ではないかと、かかりつけの医者に訊いたが、違うだろうといって、薬を呉れるのみ。全然相手にしてくれない。何とか薬を呑まずに過ごせないかと、研究したが、一時的な効果のみ。

安倍さんは、自宅に帰ると必ず3階に住む母親洋子さんを訪ね、話しこむそうだ。同じく腸の弱い私にはその心理がわかる。洋子さんは、おそらく「どう、体の具合は?」と親身になって慰めてくれるのだろう。そしてお粥なども面倒臭がらずに、喜んで作ってくれるのだろう。親子は選ぶことができない。こうなったのには、母親にも責任がある。

しかし、夫婦は選ぶことができる。妻は「どうして私はお粥を作らなければならないのだろう。結婚相手を間違えた」と思っても、それたけの理由では離婚もできないという、ジレンマに悩まされる。


ところで、80歳を越えると、胃腸が丈夫の人でも何らかの重い病気を抱えるのが珍しくない。昨日、飲み友達のM君から電話があった。「S君の近況をしらないか?」と訊く。「眼底出血が再発したと電話があったので、“良くなったら教えてくれ“と頼んでおいた。あまりしつこく訊くのも悪いので、今のところそのままにしている」と返事したら、「S君はテレビが見えないと嘆いていた」という。「テレビが見えないようでは、活字も読めないだろう。気の毒に暗黒の世界だ」と同情しあったが、どうにもならない。同じ飲み友達のMz君も前立腺ガンで女性ホルモン服用の治療を受けている。涼しくなった10月ごろ集まろうと計画しているが、4人全員揃うかどうか?

今日は、10年間ほど認知症の奥さんを看病しながら、大学のクラス会の幹事をしてくれてきたクラスメートのG君から3年ぶりに電話があった。「今年の春、妻が亡くなった。落ち着いてきたので、久しぶりに10月頃クラス会をしたいと思うが、都合はどうか」という。「毎日が日曜日だから、何時でも結構です」と返事した。