無料のガソリンスタンド

台風11号が日本海に沿って抜けているせいか、強い南風が吹く。
夕方、新しい芝刈り機で芝刈りをした。軽く、音も静かである。


ところで私は、作家村上龍氏主催のメルマガJMMを、この10年ほどの間愛読している。ここに毎週投稿している在米の冷泉彰彦氏は、ごく最近の記事で、テロ特措法延長に関して、日米の関心の落差について、次のように述べておられる。
『体調不良で辞任を発表した安倍首相の表情、そして特措法の問題を「国家存亡の危機」などと絶叫する自民党両院議員総会の様子などをアメリカから見ていますと、その深刻さには困惑させられます。まるでアメリカは血眼になって「反テロ戦争」を戦っており、その支援活動であるインド洋での無償給油活動を日本が止めることは、たいへんな裏切りになる、少なくともそんな印象を安倍首相なり一部の自民党議員は持っているように見えるからです。(略)

そのような形で、政界からも社会からも「戦時の殺気」は雲散霧消しているのです。ですから、「給油」が継続できなければ「国際公約に背く」とか「反テロ戦争への裏切り」という一部の日本の政治家の思い詰め方は、テロ戦争の「本家」であるアメリカ社会の現在の雰囲気から見ますと、冒頭申し上げたように困惑するしかないのです。(略)

その意味で、アメリカで「殺気」が弱まり、軍事作戦一辺倒の「反テロ戦争」がターニングポイントを迎えている今こそ、給油にしても何にしても一旦は引く良いタイミングなのではないかと思います。今「給油」から手を引くべきだというのにはもう一つ理由があります。それは民主党のとりわけヒラリー・クリントンが政権を奪取する可能性です。何度もこの欄でお話ししたように、ヒラリーという人はムシャラフとも親しいですし、アフガン情勢に対しては長い経験と意欲を持っている人物です。魔法のように平和解決へ持ってゆく可能性もある一方で、アフガンに関しては果敢に戦い続けるリーダーを演じたがるかもしれないのです』


このような情報は、駐米公館やマスコミの在米特派員から当然上がってきていると思うのだが、私の知る限りではマスコミは伝えていないし、政府の態度
にも変化がみられない。或いは冷泉氏1人の誤解かもしれない。どちらにしても、インド洋での無料のガソリンスタンドを閉鎖しても、日米経済摩擦の時(1983年〜)ほどの大きな国際問題に発展するおそれはないらしい。