竿竹屋

次女が、盆明けの頃に一家でロンドン、フランクフルト、マインツへ旅行をしたといって、お土産を持ってきた。長女も来る。
次女の息子の中1か中2の時の親しい友人が、休学してロンドンの私立中学の寮にいるので、淋しいから遊びに来ないかと誘われていたので、会いに行くのが目的だったとか。それに便乗して両親、姉が付いて行った恰好である。その友人の父親は大手銀行のロンドン支店勤務とかで、息子は友の父親が住んでいるフラットに友と一緒に泊めてもらったそうだが、ゲストルームなどがある広い立派な住いのそうである。今度の旅行で、今中3の息子(孫)の世界的視野が広がったのでないかと期待している。


網戸の中に少々痛んだのが2枚ほど出てきた所に、「竿竹、竿竹・・・網戸も直します」という声が聞こえてきた。早速呼んで、修理を相談した。網戸が通常サイズより丈が高いので、一枚8000円するという。ついで一枚の網戸の滑りが悪いのは、どうしたのだろうと相談したら、網戸を外して底面を調べて「コロがへたって回らなくなっている。交換する他ない」。費用は一寸口籠ったが3000円という。仕方ないので、持ち帰りで頼んだ。全部で1万9000円。殆どが人件費だという。「竿竹屋が潰れないわけ」というロング・セラーの本があるそうだが、この本を読まなくても、潰れないわけが分かった。若い人たちは、自分で直せるのだろうが、体ががたがたの私たち老人にはできない。それで、高くても結構注文があるからなのだろう。


先週の7日の夕方久しぶりに、昨年の12月4日のこのブログで、「煙草を吸わないのに、喫煙無害論を唱えるMという偏屈な男」と書いた、当人のMから電話がかかってきた。何事かと思ったら、「文芸春秋の10月号を読んだか?」と訊く。この号は今月の10日発売の筈である。当然読んでいないので、「読んでいる筈がない。まだ発売されていないだろう。」と返事したら、「予約購読者の所には今日着いた。この中に、養老先生の‘喫煙無害論’が載っているから、読んでみろ」と、鬼の首を取ったように、得意げに言う。「ああ、あの、すねた目で物を見る、変わり者の養老か。一応10日になったら、読んでみる」と返事しておいた。
今日文春を買ったら、確かに「変な国・日本の禁煙原理主義」というタイトルで、山崎正和氏との対談が載っていた。お二人ともに愛煙家でいらっしゃるようである。愛煙家同士の気楽で無責任な、科学的根拠の乏しい対談である。有名人の話だと一般の国民は信じ込み易い。文春もこのような、如何わしい記事を載せるとは、無責任極まりない雑誌である。これで、愛煙家向けに、雑誌の販売数の増加を望んでいるのであろうか。


今日から、秋の政治決戦、臨時国会が始まった。安倍首相は、所信表明演説で、バカの一つ覚えのように、「戦後レジームからの脱却」と言っていた。だが、安全保障条約も。ある意味で昭和憲法よりも重要な戦後レジームでなかろうか。しかし、安保破棄については、全く無関心である。反対にますます対米依存の傾向を強めている。APECで、ブッシュにテロ特措法延長を約束した後の記者会見で、「延長ができなかったら、国際公約を果たせなくなるから、辞任する」みたいなことを言ったらしい。国際公約ではなく、ブッシュとの約束だろう。このように、国民ではなく、ブッシュのご機嫌取りに血眼の首相は、どうぞお辞めになって結構です。因みに、世論調査では、延長反対が50%台、賛成30%台のそうである。アメリカが怒って、基地を日本から引き揚げてくれて、半占領状態から脱すれば、これ以上の日本国民の幸せはない。半占領という状態が、日本はアメリカのポチという日本国民の卑屈感と、自尊心の喪失、ひいてはモラルの低下を招いたのであるから。