人事も経理も中国へ!

台風9号が南から近づいているせいか、蒸暑い。


昨夜録画のNHK番組「人事も経理も中国へ!」を視て、グローバル化とは大変なものなのだな!と改めて思った。工場の海外移転が職場を減らし、格差を生んでいるのだとばかりと思っていたが、今や、ホワイトカラー業務も中国に移転しているという。日本のホワイトカラーの生産性は、先進国の中で最低のそうだから已むをえないかもしれないが。

番組では主に、京都の女性衣料品通信販売の大手NISSENの現場を取材している。人事や経理などのマニュアル的な仕事は既に、中国大連へアウトソーシングしたという。大連は日本の旧植民地?だったせいか、日本語が話せる人が残っている。その伝統で日本語教育が盛んで、日本語が達者な若者が多い。マニュアル化が遅れていて、個人の判断による雑多な仕事が多い総務の仕事、例えば配車業務を、大連へアウトソーシングする苦心が経時的に放映されていた。

初めは、部員の抵抗が強かったが、経営者はその必要性を納得させてマニュアルを作成させた。同時に大連のアウトソーシング先から若い女性担当者を呼び寄せて、マン・ツー・マンで指導して見事にアウトソーシングに成功した。この熱心で優秀な担当者は、日本に来るに際して、1月分の給料をはたいて電子辞書を買ったそうだ。いかに彼らの給料が安いかが想像できる。このようにして、既に150人の仕事が中国に移り、30%の経費削減に成功したという。一方御用済みになった総務部員等は自発的に会社を辞めていく。あの中国の若い女性の輝く目に比べて、やり切れない話である。


これらのアウトソーシングについての請負というか、指導をIBMがしているそうだ。パソコン事業というハード部門を中国に売ったIBMは、このような先端的ソフト戦略で生き延びを図っているのだろう。凄まじい戦略である。娘の親友の夫という人はIBMに勤めていた優秀な技術者だったが、このような会社の激しい動きについていけなかったせいが、ウツになって最近自殺したそうだ。その親友もその衝撃で精神病院に入ったそうだ。恐ろしい世の中になったものである。このようにグローバル化が進んだのも、インターネット普及のせいだろう。半世紀先は、どのような世の中になっているであろうか、想像するだけでも恐ろしい。