領収書

今日も、酷暑、猛暑の間をさまよう。暑い。食堂で34℃。午前中は、報道2001とサンディ・プロジェクト、及びNHK日曜討論を渡り歩く。焦点は明日の内閣改造の新大臣予想。


民主党が、全政治団体の政治活動費・経常経費支出、つまり事務所費について「1円以上」から領収書添付を義務づけるとする法案を、秋の臨時国会参院)で提出する予定という。公明党も同調するという。
自民党は、腰が定まらず、でれでれしているようだ。その理由は、遠い選挙区から陳情などで上京した後援会の人たちに、食事などを振舞わないわけにいかない。しかし、表に出れば公職選挙法違反になる。だから、その「財布」として、領収書の要らない事務所費を使っていたそうだ。それで1円以上の領収書は困るそうだ。しかしこの法案が参院で通ったら、衆院で、自民党だけで否決するというわけにはいくまい。ジレンマに陥っているようだ。

この自民党の態度にたいして、民間では皆、領収書添付が義務つけられているのに、できないのはおかしいという非難の声が高い。民間の事情について私の、個人事業者(弁理士業)時代のささやかな記憶を述べてみたい。

生来ケチな私は、税理士に払う金が勿体ないので、開業以来自分で確定申告書などを作って、税務署に提出していた。10年位の間は、何ごとも無かったが、ある日突然電話があって「税務署のSです。明日調査に伺いますから、最近3年間の書類を用意しておいて下さい」という。来るものが来たという感じで「分かりました」と返事をした。

S氏は早速、現金出納簿、銀行関係書類、仕訳書、請求書などを出せという。そして2日がかりで、これらの書類を精査していた。お昼ご飯に誘っても断る。お茶1杯も辞退している。所謂接待みたいなことは一切利かないのに、感心した。その間領収書についての話は全くない。何のために領収書を保存していたのか、馬鹿馬鹿しくなった。2日目の夕方ごろに、リースについて何かを見つけたのか、3年リースがどうの、5年リースがどうのと言う。結局コピー機(当時はすごく高価だった)のリ−ス代の扱いについて、素人の私の税法上のミスを突かれて、100万円ほど追徴課税されることになった。S氏は、この“お土産”に満足したのか、領収書に最後まで触れなかった。

だから、自民党議員の皆様に「’領収書’について、余り気にしないで」と、言いたいのだが。野党の方が、税務署さんよりもかなり厳しいようだ。充分にご用心して下さい。