地球温暖化

猛暑は関西方面へ移り、今日は薄着だと少し寒いくらい。こういう気温変化の大きい時には、年寄りは風邪を惹きやすい。昼頃、妙な咳がでるので、風邪薬ベンザブロックSを1錠飲んだ。


立花隆著「文明の逆説」(1976年発行)を読んでいたら、次のような時代錯誤的な文章に出会った。
「地球全体の気温が1940年代から低下しつつある。この低下ぶりは、氷河期をもたらした地質時代の気候変動と比較しても異常に大きい値である。このままいけば、小氷河期が到来しそうな気配なのだ。
この原因の一つに大気汚染による日射の遮蔽効果があげられている。原油による海洋汚染も見逃せない」
筋は、当時の社会現象を考えれば、よく通っている。説得力がある。


似たようなことを何所かで読んだ記憶があるので、書架を探したら、氷河物理学専攻の樋口敬二名古屋大学教授が、柳田邦男氏との対談で
「樋口;・・・今世紀に入ってから、氷河はずーっと縮小を続けているのです。
柳田:それは千年くらいの観測ではっきりわかるのですか。
樋口:もっと長く、数千年にわたる観測によってはきりわかります。ところがこの数年、いまお話ししている寒冷化ということが問題になって、それに応じて小さな氷河は拡大しているのです。(略)どうもいまの寒冷化の傾向はもうちょっと短いんじゃないでしょうか。・・・」と1981年ごろ述べていた。


今夏、どこかのニュースで、「猛暑日」という言葉はなかったのですが、この10年間の35度以上の日数が、1960年代〜1970年代の3倍近くになっているため、従来の「夏日」(最高気温25度以上)、「真夏日」(最高気温30度以上)に加えて、最高気温35度以上の「猛暑日」を加えたと、云っていた。

そういえば30年ほど前の昭和50年頃は、夏が何となく寒かったのを思い出した。この時代は小氷河期が近づいているのが、恐れられていたのだった。現在はこんなことを言うと馬鹿者扱いされる。


いつ頃からCO2による温室効果で地球が温暖化しているというのが定説になったのだろうか?と思って、ウイキペディアで調べてみたら、次のような記事があった。
「1980年代前半頃までは、「地球寒冷化」が学界の定説であった。1988年6月23日、アメリカ上院のエネルギー委員会の公聴会におけるNASA所属のJ.ハンセンによる「最近の異常気象、とりわけ暑い気象が地球温暖化と関係していることは99%の確率で正しい」との発言が「地球温暖化による猛暑説」と報道されたことを契機として、当時の『ニューズウィーク』誌等の雑誌やTV放送等のメディアを通して一般に広まった」
やはり地球温暖化説は、アメリカがリードしていたのだ。いかし京都議定書の批准は拒んでいる。勝手な大国だ。