女の子の就職斡旋

午前中に、家内の運転で自治会館へ行き、参議院選の投票をすました。投票所には次々と投票をしに人が来ていた。投票率はよさそうだ。

夜9時30分の速報では、自民40を切り、民主圧勝という。


選挙がらみで、小泉前首相の名秘書といわれ、今も政権に影響力を持つといわれる飯島勲氏の著書「代議士秘書:永田町、笑っちゃうけどホントの話」(講談社文庫;2001年発行)を、ばらばらめくっていたら、“女の子は役所でアルバイトするのが最高”という見出しに出会った。皮肉っぽくて、面白い。10年位前の古い話で今も通用するかどうかは、分からないが参考までに。


「やれやれマスコミ関係だスチュワーデスだと、なにかと注文の多い女の子の就職斡旋だが、私がお勧めしたいのはむしろアルバイトだ。ただし勤務先はお役所。つまり中央官庁の臨時雇いだ。
本来、公務員は行政改革で人減らしをすべきはずなのだが、実際にはお役人の仕事は年々増えるばかり、猫の手も借りたい忙しさだ。といって、官僚の数を増やすわけにはいかない。そこで、公務員試験を受けていない、正規の職員でない、幻の人手をそろえる。つまり、役所に支給されるコピー代、文書代の範囲のなかでアルバイトの女の子を雇うのである。これを霞ヶ関では『賃金』と呼んでいる。(略)そこで、一つそのアルバイトとして働いたらどうかと勧めるのである。
『アルバイトなんて』とバカにするなかれ。こんな素晴らしい腰かけはない。いかにキャリアだ、とらばーゆだと気取ってはいても、女の子のホンネは玉のこし狙い。(略)石を投げればともかく東大卒にぶっつかる中央官庁。そんな素晴らしい職場に入れるとなれば願ったりかなったり。たとえ給料が安かろうが、小遣い程度にしかならなかろうが、そんなことは二の次となるのが女心というもの(もちろんそういう女性ばかりだとは思いませんが)。
なにせ、どんな男にひっかかっても人生はバラ色だ。末は局長とまではいかなくとも、高級官僚のよさは定年になってから。天下りで就職支度金をたっぷり支給され、個室、クルマ、秘書つきで月給100万円以上という人生が待っている。3回か4回、天下れば、億という金がたまり、地位も名誉も最高である。いかにプロパーの社員が競争を挑もうとしても、情報量も人脈も格段に違う。
そういう男に嫁いだら、娘ばかりか親も最高だ。(略)
ちょっと前に某お役所に、さる企業の経営者の娘さんを紹介したら、わずか1週間で若手官僚二人から、『結婚してください』とプロポーズされたという。
『いったい、どうしたらいいでしょう』と私に相談にきたから、『いや、まだ早すぎるナ。断らなくてもいいから気楽につきあったら』と答えておきました。
また、別のある省庁に紹介した女に子は金持ちの娘でもなんでもない、平凡な家庭の子だったが、―――は、やはり入ったとたんに若い官僚とできてしまった。ある朝、課内の同僚が役所に出勤したら、前日に二人で徹夜したかのかどうかは知らんけれども、部屋のソファーに仲良く肩を寄せ合って寝ていたそうな。そのままにしておいたら、たちまち課内中の噂になって、結局、彼女は退職、その年のうちにゴールインとあいなった。
とまあ、そんなわけで中央官庁でのアルバイトは、玉のこしを狙う女性にとっては大穴中の大穴である。親御さんも親御さんで、
『お父さん、私、お役所の人に明日ディスコに誘われたんだけど、どうしよう?』
『ああ、行ってこい、行ってこい。こいつは小遣いだ』
てな具合でもう財布のヒモはゆるみっぱなしだとか。と、まあこれはあくまで私の想像です。」