ソロス未来への提言

NHK“ニューヨーク特集”からの録画「ソロス未来への提言」を視る。
独自の嗅覚で市場の流れを的確に予言してヘッジファンドの帝王と呼ばれ、これまでに築いた個人資産は1兆3千億円ともいわれ、今は慈善活動家としても知られるジョージ・ソロス氏(76歳)を、日本国際交流センター理事長山本 正氏がインタビューして、ソロス氏の哲学を紹介した番組である。凡人の私には理解が難しい重い内容であった。

ソロス氏は、ハンガリ生れのユダヤ人のためナチスによって迫害を受け、ドイツ軍のハンガリ侵攻後にあやふく殺されそうになったが、父親が先見性のある立派な人だったので、周りの多くのユダヤ人と共に身分を偽るのに成功して、14歳の時にハンガリーを脱出した。その後ロンドンでカール・ホッパ−スの「開かれた社会(オープン・ソサイアティ)とその敵」という著書に啓発されて、生涯その影響下にあるという。

26歳の時に、ニューヨークに来て、ファンド・マネージャとなって、ブラックマンディ(イギリスのポンド暴落)の時は、1兆円をこす資金を運用して、1日で1千億円以上を儲け、イングランド銀行を破産させた男と呼ばれたのは有名。これまでに築いた個人資産は1兆3千億円にのぼる。

現在も投資顧問会社を運営しているが、50歳の時に、「オープン・ソサイアティ財団」を設立し、個人資産から毎年4億ドルを投じて、今その会長として世界中を飛び回って活躍しているという。これまでに個人資産7200億円を投じたという。

初めの頃は、共産国だった国の民主化を支援したが、最近は世界の貧困やエイズ撲滅対策に協力しているそうである。

慈善事業に入った動機については、ファンド・マネージャはストレスが貯まる、この大金を何のために稼いだのかと、50歳の時に反省したそうだ。それで会社では、利益を上げるのに専念し、自分の金はオープン・ソサイアティのために使おうと考えたそうだ。オープン・ソサイアティとは、別の言葉で云ってみれば民主主義のことである。民主主義は人々の誤解の上に成り立っている。・・・この辺から先になると分からなくなる。難しい。因みに、ビジネスも慈善事業も同じ哲学でやっているそうである。


ソロスが儲ければ、損をする人が出る、損した人は或いは自殺するかもしれない。このあたりの矛盾をどう考えているのだろうか?自殺する奴は自業自得と割り切っているのであろうか?金持ちの哲学は分からない。ともかく、ユダヤ人には凄いのがいると、改めて感心した。

こういう凄いユダヤ人を多数抱える、アメリカも凄いが、一時期(バブル期)このアメリカを追い越して世界一のリッチな国になった日本も捨てたものでない。