電子カルテ

家内が今回入院したS病院は、カルテの電子化による合理化に完全に成功しているらしいことを強く感じた。一方医者や看護士が患者と向き合っている時間よりも、パソコンの前にいる時間の方が長いように感じたのは、患者側のひがみだろうか。否、3時間待ち、3分診療と言われるのが、日本の医療現場の実情なので仕方ないのだろうか。パソコンの前にいる時は、おそらく患者の病態を調べて、対応を考えているのだろうから、よいとするか。


ところで今度の入院で、生れて初めてカルテの中身を見た。故意か、ミスか分からないが、家内のベッド側のテレビの上に家内の電子カルテ(入院当初の)のコピーが置き忘れてあった。私が若い頃、カルテはドイヅ語と決まっていたようだが、その後は徐々に英語になり、今回見たのは完全に日本語。日本の医学の水準は、独、米並みに向上したということだろうか。日本語だから、素人の私でも内容はよく分かる。ER(救急病棟)に運ばれた時の主訴(眩暈,動悸)、現病歴、既往歴、入院時現病歴、検体検査値、問題リスト(1.貧血、2.消化管出血)、症状経過(緊急内視鏡検査の結果:潰瘍性病変)・・・



医者の世界でも、デジタルデバイドがあるようである。比較的空いているので、大した症状でない時に診て貰うH病院では、未だ手書きのカルテである。事務員が倉庫に入ってカルテを出し入れしている。その人件費は馬鹿にできないだろう。ここはベテラン医者が多いようである。近所のT医院の年齢70歳台のT先生もカルテは手書きである。一方近くに昨年開業した耳鼻咽喉科医は、30歳台と若いせいか、患者の話を聞きながらパソコンのキーボードを機関銃を打つように叩く、電子カルテ派である。