落日の日本航空

今日の夕刊の一面を見て頭にきた。
何と日航が、“主要取引銀行に数千億円規模の資本支援要請“をしたというのである。僅か1週間も過ぎない前(5月19日)の、テレビ番組BS-i「榊原・嶌のグローバルナビ」で、 西松遥日航社長は、聖域無しの“再生プラン”を堂々と打ち出し、高コスト体質の改善と収益力の強化のための、数々の施策を頼もしげに説明したのだ。その時は、銀行への‘支援要請‘なる言葉はおくびにも出なかったと記憶する。
馬鹿正直の自分は、それを真に受けて安心したものだ。と言っても、私は、日航の株主でもなければ、従業員に身内は1人もいない、全くの無利害関係者である。
日航への大口貸出銀行に僅かな虎の子の預金があるたけである。その銀行が左前になっては困るのである。

4月25日のこのブログで述べたように、日航は今年に入って日本政策投資銀行などから711億円の融資を受けた、その上に今年度から始めた特別早期退職制度に、地上職や客室乗務員の54歳以上の部長職約250人が応募したことなどを踏まえて、「年度内の資金繰りには問題がなくなる」と公言していた矢先である。年度末が過ぎたと思ったら、更に数千億円規模の支援が必要だと臆面もなく、言いだした。二枚舌の日航経営者が信じられなくなった。

こうなったからには、自力での再生は不可能だろうから、日産自動車の場合のように、外資を入れて、有能な外人経営者によって再建して貰う他に手はないであろうと、素人なりに思う。ナショナル・フラグのプライドにこだわれば、グローバル化の時代に遅れて取り返しの付かないことになることを恐れる。