ウオシュレットと文化の相違

アメリカと日本の間には、共に民主主義国家であるが、一方はBSEの点で、米国産牛に対して無害と信じ、他方は有害と恐れる、あるいは拳銃社会を必要悪と考える、必要性を全く感じないなどの、180度の違いがある。


それに関して、今週月曜日に放映されたカンブリア宮殿のゲストであるTOTO社長木瀬照雄が「アメリカでは、お尻は放送禁止用語になっている(お尻=ホモ)ので、ウオシュレットを宣伝できない。口コミで月に3000台程度を売っている位である」と話したのが、興味深かった。
欧州も、ベルーサーユー宮殿で見られるように、彼らは食い物や、衣装には金を使うが、身体の清潔に無関心という文化の相違のために、ウオシュレットは殆ど売れていないという。

中国では、ウオシュレットを備えている生活は自慢の種らしい。

免疫性の点からは、ある程度細菌類と共存する生活の方がよいという説もある。私の花粉症が今でも治らないのは、ウオシュレットの生活に慣れたせいかもしれない。



木瀬社長は、北九州市にある本社に単身赴任のため、早朝に出社して、社内ブログでの募集に応じた社員と、各自持参の朝飯を一緒に食べながら気軽に意志の疎通を図っているそうだ。

一方日本で唯一のDRAMメーカーとなってしまったエルピーダメモリ社の生き残りに賭けている社長坂本幸雄氏は、1時間の電車通勤を毎日しているそうだ。その理由を訊かれて「社長と社員の差は給料だけですから」と答えていた。決断は早い。30億円位の設備投資を電話で即決していた(昨夜放映のNHK“プロフェッショナル 仕事の流儀”)。

以上のような映像を見て、お二人は社長という職業を義務感で勤めておられると思った。旧時代の社長のように、ライバルを蹴落としてなられたのではないと思う。