鎌倉のスタバ

穏やかな春日和。バスで、鎌倉山のほぼ葉桜の並木の下を通って市内へ行った。
家内に催促され、鎌倉市役所で今年度の障害者福祉タクシー利用券つづり(初乗運賃が助成される)を受け取るためである。今の障害者福祉制度は、私にとって充実し過ぎているように思う。しかし制度は利用するのにこしたことはない。別に悪いことをする訳ではない。娘が、月約1万円の公的年金に加入する、しないで悩んでいる時だ。この一律的な制度が何時までもつかは分からないけれど。

用事が済んだ後、市役所のすぐ向かい側に昨年頃オープンした和洋折衷の建物に特徴があるカフェに入った。黒っぽい表壁板に、CHAYAという横文字のマークが目立つ。お茶屋かと思うと、例のSTARBUCKS COFFEEという看板も目立つ。昨年は何の店か分からず通り過ぎたものだ。
中は広々とした一流ホテルのロビー並みの景観、設備。全体に明るい。東側(駅側)の大部分は総ガラス張りで、外にプール風の池がある庭が目立つ。写真のように、池の両側の梅、桜、藤の老木が池を覆わんばかり。池の傍らには、パンジー、チューリップ、鈴蘭、椿、菫など色とりどりの花が美しい。庭に向かって、庇のある広い板張りのテラスが張り出していて、数個の椅子、テーブルもある。喫煙はここで、ゆっくりどうぞというのだろう。

このガラス張りの隣のクッションの利いた心地よい椅子に坐って、紅茶とシナモンロールなどを摂りながら、暫くの間、庭の眺めを愉しんだ。コバルトブルーの池面に時折桜の花びらがひらひらと落ちる。老木を見ながら、ここは旧家の跡地でないかという気がしてきた。そういえば、昔この辺に、「フクちゃん」で有名な漫画家横山隆一氏の屋敷があったのを思いだした。

帰宅してから、ネットで調べたら、葉山の日影茶屋とスターバックスの共同経営の店のようだ。横山邸跡との推測も当たっていた。外資も消費者に良いことをする。ハゲ鷹ファンドと恐れる島国根性が、中々抜けないのは、老いた私ばかりだろうか。