春の全寮コンパ

駒場のファカルティハウス内のセミナールームで12時から開催の、一高春の全寮コンパに出席した。

往復の電車の窓から見える若葉や桜花は、春を告げている。予ねて出席を打ち合わせておいた、クラスメートのS君、My君に、亡くなったクラスメートH君の奥さん(Hさん)、同じくN君の妹君(Nさん)、さらにS君の奥さん(Sさん)の仲良し組と会場で落ち合った。出席総員は60名近くで、1月末の記念祭イブに比べると、かなりの盛会である。

昭和4年卒で98歳になられるというが、そうは見えない超お元気のM氏の乾杯の音同で始まった。M氏は町内会や色々の会の会長として、お元気に活躍されているという。医者の息子さん、同じく医者であるその奥さんと一緒に食事をしていて、食事その他安心して生活できる状況にあるのが、お元気の源らしい。

Y氏の巧みな司会の下に、座席でランチ(洋食)をとって雑談しながら、有志のスピーチと寮歌を織り交ぜて、楽しくコンパは進行した。数々のスピーチの中でも、某氏の紀元前1世紀のギリシャ音楽の録音のマイクを通じての紹介は光っていた。どのようにして録音したかの説明もあったが、よく理解できなかったので、ここでは省く。この歌は「人生は短い、生きている間に楽しめ」といっているそうだ。

その他、原子力発電や地震、物理の国際オリンピック出場高校生の育成など専門分野からのスピーチも大分興味深い。東京に大地震が近く来る,来ないや、ウラン原料は今後何年使用できるかなどで、ちょっとした論争が起こった。
寮歌は、「芸文の花・・・」、「仇浪騒ぐ・・・」、「新懇の・・・」など、最後は「嗚呼玉杯・・・」で締めくくる。95歳のS先輩の「第一高等学校万歳」の音頭、一同の拍手で、予定時間を40分位オーバして14時40分ごろ解散した。

その後仲良し組で、薄緑がかった銀杏並木を通ってコミュニケーション・プラザへ廻り、カフェ・Jrで一時間ぐらい雑談した。植物に詳しいMy君は、タフキナ菌がついて染井吉野はテングス病になり易くなっていて、染井吉野が危ないとまことしやかに言っている。

ここを出たら、天気予報の通り、雨が降っている。雨の中を、傘をさして駒場博物館まで歩き、2階で開催中の「所蔵品展:明治以降の第一高等学校図学・製図教育」を閲覧した。忘れかかっていた旧い製図用具など懐かしい。私たちが習った図画学という名称の科目は、教養学部の図学・製図(現在の図形科学Ⅰ、Ⅱ)にあたるそうだ。

ここを出た時は、大分強降りになっていたが、幸いに駅が近い。藤沢駅で降りたときは、4月とは思えない異常な寒さ。家内に車で迎えにきて貰った。