いじめ問題の解決


安倍内閣に支持率が遂に37%に低下し、不支持率が40%と支持率を上回った(今朝の朝日新聞)。

せめて鳴り物入りで発足した教育再生会議で徹底的な議論を行い、“いじめ”問題についてでも、国民がある程度納得、安心できるような結論でも出せたなら、結果は多少違ったであろう。しかし、すべて形式的で、あっという間に終わり、先月末に出されたという第一次報告なるものの中身は、私を初め国民の殆どは何にことか分からないまま、今国会に法案が提出されるという。


週刊ポスト:3.2号」で、この再生会議のメンバー?だった杉並区立和田小学校長の藤原和博氏は、「教育再生会議」では語られない『核心直言』をしておられる。直言が頷けるものである故に、再生会議がいかに消化不良で、おざなりに終わってしまったかが理解できる。こういう、「憲法改定」にも劣らない重要な国家100年の計は、時間をかけてじゅっくりと練るべきものである。

藤原氏はいう。今の“いじめ”は、非常に陰湿で、外からはその有無がわからなくなっている。子供がケイタイを持つようになって以降、いっそう見えにくくなった。
大切なことは、日頃から「斜めの人間関係」を子供に持たせてあげることだという。具体的には、親と子、先生と生徒は「縦の関係」であり、これに対し、祖父母、兄姉、年上の親戚、近所のおじさん、おばさん、お兄さん、お姉さん、この人たちとの関係が「斜めの関係」となる。しかし大家族の復活や地域社会の再生は難しい。

藤原氏が提案し、実践しているのが、学校を核とした地域社会の復興であるという。

和田小学校では、「土曜寺子屋」略してドテラを開いている。土曜日に地域の大学生に学校に来てもらい、生徒の勉強を見てもらう。そこで勉強以上に大事なことは、「斜めの関係」が生まれることだという。
また放課後、近所の本好きのおばさんに図書館に来てもらい、司書をやってもらっている。その人たちが子供の隠れ家になり、子供は教師にいえない悩みを打ち明けたり、新しい価値観を学び、視野を広げることもできる。学校はそうした“隠れ家”を用意すべきでしょう。その他色々と有益な提案があるが長くなるので、省く。

和田小学校で行っていることは、どこの小学校でも実行できると思われる。この具体的な提言が、何故第一次報告で取り上げられなかったのだろう。
日本人特有の‘やっかみ’が原因なら、安倍総理の重い一言で片付いたはずである。