アイリス:映画

朝から冬雨が降り寒い。昼ごろから晴れ間がでてきたので、久しぶりに庭に出てみたら、庭先の白梅が一部綻んでいた。躑躅の陰に隠れて、写真のような可憐な水仙の花が開きかかっているのを見つけた。今年も、春は確実に近づいているのを感ずる。老いてくると、寒い冬を無事過ごせた喜びが、若いときよりは一段と深く感じる。


先日BS2から録画したが、まだ視ていなかった映画「アイリス:2001」を視る。実在のイギリスの女性作家アイリス・マードックの実話ドラマらしい。やや詳しい解説は、下のURLに載っている。
http://unzip.jp/feminine/12/index.html

美しいオックスフォードの田園が背景にあり、アルツハイマー病にかかって、記憶喪失というか意志を失って、単なる肉体と化した妻を一人で看護する老いた夫の姿に、若い日の華々しいロマンスの映像が重なって写しだされている。
80歳を越えた年齢の私は、何ともいえない遣りきれない思いで、結局最後まで見てしまった。人生誰にでも、起こりえる結末である。

その後、1月31日の駒場キャンパスで行われた記念祭イヴの、今なお若々しい同窓生の寮歌やスピーチの録音、録画(パソコンに入れてある)を聞いて、この映画で見た悪い夢をぶち壊した。