喫煙無害論の生き証人

今日は2月11日(建国記念日)。昔は(敗戦前は)紀元節といって、神武天皇がお生まれになられたお目出度い祝日として、学校が休みなので楽しみだった。今の私には毎日が日曜日なので、特に感慨はない。

そういえば、数年前に思いがけず、義兄から昭和16年一高入試問題(全国高校共通)なるもののコピーが送られてきた。60年ほど前に、これらの問題を前にして悪戦苦闘したのを思い出し、とても懐かしかった。だが、英語以外の問題は今では全く歯が立たない。

国史」の問題3問の中に、「我が肇国の精神を述べ、且この精神の政治上に発揚されたる著しき事例の中三つを挙げてその各に就き簡単に説明せよ。」というのがあった。今いくら考えても分からない。神武天皇や国体に関係があるのだろうと思うのだが、何を書いたかさっぱり思い出せない。割に良い成績で合格したのだから、何かを書いたのは間違いない。
兎に角、若い純粋な心に、入学試験を通じて、国体?なるものを沁み込ませようとした当局の狙いのみはよく分かる。これも敗戦で一散した。


ところで先日の記念祭イヴの日(1月31日)の駒場のカフェで4人の老友でコーヒーを飲みながら、拙本(gladsonの日記)の12月04日の記事「・・・煙草を吸わないのに、喫煙無害論を唱えるMという偏屈な男がいる。・・・」の箇所をMに示したら、「偏屈」といわれたのが気になったのか、Mは「実は、俺、皆の前では吸わないが、他人のいない所でこっそり吸っているんだよ。ただ口のなかに入れるのでなく、胸の底まで吸い込むんだ。何ともいえない良い気持ちで止められないんだ」と「偏屈」でないことを白状した。「偏屈」と書かれたのが応えたのだろう。やっと謎が解けた。本音と建前の付き合いがあるが、これで建前の一部が無くなった。
ところが困ったことに(喫煙有害論者にとって)、Mが、4人の中で一番元気で長生きしそうなのである。