映画:不都合な真実


家内の大正琴の先生や友達数人が琴の演奏DVDを見るために、今日我が家に来るというので、東京へ逃げ出した。都合よく、暖かい冬日の中を。先ず有楽町マリオン9階の日劇3へ行き、映画「不都合な真実(an inconvenient truth)」の当日券を買う。それから日比谷シャンテ2階のカフェ“ゆとりの空間“で軽食をとる。綺麗な眺めのよい店だ。写真のように晴海通りのお堀側が見通せる。ここでゆっくり過ごしてから、マリオンに戻り、1時半に映画館に入った。暫くしてアナウンスがあり、「『愛の流刑地』は隣です、お間違えの方は係り員にご連絡下さい」という。平日の午後のせいか7割位の入り。白髪や禿が目立つ。

“真実“の内容は、地球温暖化であり、キャストはゴア元副大統領一人だけである。彼がスライドを使って、豊富な画像とグラフを示して、地球の温暖化は取り返しのつかない段階に達しようとしていると説明して、観客の背筋を冷っとさせた。


対策はというと、お決まりの省エネルギーに尽きる。京都議定書にサインしていない先進国は、アメリカとオーストラリアの2国のみだと嘆いていた。省エネ車のメーカは、特にトヨタとホンダで、フォードとGMは駄目だとはっきりとグラフで示した所は、いかにもアメリカらしい。最後のシーンの「なるべくハイブリッド車に乗りましょう」では、いくらか愛国心をくすぐられた。

ゴア氏が、世界各国を回って、プレゼンテーションを開いて、熱心に地球温暖化防止キャンペインを張るようになった大きな理由には、小さな息子さんが交通事故で命を落としそうになったことと、煙草を吸い続けた末の肺癌による姉の死があるという。ゴア一家は伝統的に、煙草栽培をしてきたが、姉の死をきっかけに栽培を止めたそうである。

彼は、‘地球は温暖化していない’と主張する学者達の「不都合な真実(企業との癒着による理論の捏造?)」を徹底的に探って、彼らを論破してきたようだ。

本映画は、2006年の制作で、多数の映画賞を受賞しているそうだ。ただ、終わった後、エレベータを待っている間に、或るあばさんが「ドラマがなかった」とつぶやいていたが、タイトルから韓流映画を期待すると、がっかりする。これは、完全にドキュメンタリ映画なのだ。