ハケンのプライド

日本テレビで放映が始まったドラマ「ハケンの品格」を、厚労省が法案を提出しようとしている”ホワイトカラー・エグゼンプション“の目から視ると凄く面白い。この法案の提出は、世論の反対が強く見送られる可能性が高いが。



ドラマの舞台は、大手食品メーカの東京丸の内本社。正社員と派遣社員は同じ大部屋でだらだらと働く。「一切残業なし」という本人側の条件付で、ここに派遣された凄腕の女性派遣社員大前春子(篠原涼子)。春子は、秒単位できちっと手際よく仕事をこなす。12時になると、きちんと昼飯を食べに席を外す。勿論定時(午後6時)になると、遠慮なく帰る。
春子を意識して何かにつけてちょっかいを出す他課の主任東海林武(大泉洋)。今週は、遂に武と春子がホチキスの1万枚早打ち競争で対決することになった。負けたら、武が丸坊主になるという条件で。初めのころは春子が優勢だったが、最後の所で、なぜか気を落とし、寸秒の差で負ける。これを知った、席を並べて働く新米派遣社員でへまばかりしている森美雪(加藤あい)が、春子に「ハケンのプライドとは何か?」と尋ねる。普段無口の春子は「プライドよりも大切なもの、それは派遣として生き延びていくこと」と答える。
後で、春子がホチキスを打った紙を人知れず検分した武は、その正確な打ち跡に感服する。
このような、だらだらした職場は日本中に転がっているような気がする。
ホワイトカラー・エグゼンプション“の目的とする所は、全員が春子のように集中して効率よく仕事をして、残業をしなくてもすむ、グローバルに競争力のある職場を作り出すことのように思える。例えば、欧米の職場のように。