IT大国インド

昨年の12月14日のブログで、インド市場という巨大消費市場への参入は至難であるという江上剛氏の記事を紹介した。「文芸春秋:2月号」に、同氏による“IT大国“という別の面からみた、インドに関する続きの記事が載っているので紹介する。


インド第3の都市で、「インドのシリコンバレー」と言われるバンガロールにあるインド第3のIT企業ウイプロ・テクノロジーズでは、約15万坪の敷地に、幾つもの白亜のビルが立ち並び、テニスコートやバスケットコートが見える。中庭の芝生の上で寝そべったり、談笑したりしている若い男女。彼らはここで研修を受けている社員のそうだ。ウイプロには世界中で約6万人の社員がいるが、毎月千人位が入社する。ウイプロは、世界IT企業ランキングでは、世界18位のそうである。

ウイプロ・ジャパン副社長によると、同社の日本での売上げは、ウイプロ全体の約4%で約70億円しかないそうだ。
その理由は、日本が技術を外に出したがらないからのそうである。例えば2006年4月にサービスが始まった携帯電話向けデジタルテレビ放送ワンセグ」開発では、ウイプロが受注したのは、画像処理だけだった。米国や韓国は、インドにプロジェクト全体を丸投げするが、日本は違うとのこと。この自前主義は、日本が圧倒的に技術優位の時は、世界と戦えるが、現在のように技術開発のスピードが速く、かつすぐ後ろに韓国や中国が迫ってくる時代になると、世界に対抗できなくなる可能性が高いという。
IBM、インテル、シスコシステムやマイクロソフトなどは、インドへの大規模投資を発表している。そのお蔭で、インド人IT技術者の就職口はうなぎのぼりで増加しており、2007年には220万人以上になると期待されている由。その陰で、マイクロソフトは米国で1万人を、IBMは1万3千人をリストラしている。日本の雇用形態が、インドIT企業の活用を阻んでいる。

以上、纏まりのない文章になってしまったが、原文自体がそうなのだから仕方ない。日本がインドに入るのも、インドが日本に入るのも難しいというのが、読後の感想である。