ワルドビューネ・コンサート(2006)


NHKのBS hi(BS3)で放映のベルリンフィルハモニー管弦楽団による、ワルドビューネ・コンサート(2006)を視る。音楽も素晴らしかったが、それよりも、夕闇迫るなかでの屋外コンサート風景に目を奪われた。


丘の麓に設けられたステージ、その前になだらかに上がり勾配で広がる草原に詰め掛けて音楽を楽しむ一万人近い大聴衆。エンディングの頃は、スポットライトを浴びて、ステージと森がそれぞれ白および緑に浮かび上がり、バックの黒い丘と濃紺の大空は細く淡い茜色で仕切られて、暗闇の中の大観衆は思い思いに線香花火をかざしながら、ミュージック(組曲「アラジン:黒人の踊り」や“ベルリンの風”など)に合わせて、手拍子を打ったり、ペアダンスをしたりなどして、指揮者、演奏者と聴衆が一体となって楽しむ風景。


それを遠い日本にいて、ハイビジョン大画面テレビで迫真的に視られるという、平和な文明世界の素晴らしさというか、生きている喜びをしみじみとて感じた。