ソニーの成果主義


先日発売された「文芸春秋:新年号」で、ソニー元上席常務の天外伺朗氏が、“成果主義ソニーを破壊した“と述べている。

ソニー復活の鍵を握ると言われるPS3は、1台売るごとに3万5千円の赤字が出るという。2007年月期決算ではゲーム事業の営業赤字が2千億円だと予想されているそうだ。

ソニーが輝きを失った理由は、「燃える集団」がなくなってしまったからのそうだ。「燃える集団」とは、「内発的動機に基づいて行動している」集団のことであって、「お金が欲しい、出世したい」という俗な動機でなく、自分の内側から湧き出る意欲にしたがって働く集団である。

1995年ごろからソニーでは、徐々に成果主義が導入され、ついにはコンサルタント会社が作った精密な評価法を使って、社員のパーフォマンスを給料に反映させるシステムをとった。以来社員はやる気を失っていったという。
上の評価法による成果主義は、創業者である井深さんの「仕事の報酬は仕事だ」という成果主義とは逆であるという。

この記事は、元ソニー役員による憂社の叫びと取りたい。
なお天外氏は、1964 年にソニーに入社したのち、井深さんんの時代に、CDを初めとするデジタル・オーディオ機器や、ワークステーオン「NEWS」の開発に提わった。またAIBOを開発したなど輝かしい業績を挙げた技術者であるそうだ。