酒で自動車を走らせる


サトウキビやトウモロコシ、麦などの植物から作られるエタノール、すなわちバイオエタノールをガソリンに混ぜて使う自動車の使用が、ブラジルを初めとして、欧米で進んでいる。何故か、日本は遅れている。
バイオエタノール先進国のブラジルでは、100%エタノール車が走っているというのに! それは、法律による規制があるためらしい。日本では2003年にやっと、3%混合が認められたという。

所で、今沖縄の宮古島で進められている、バイオエタノールの製造と、混合ガソリンを燃料とする自動車の実証試験が注目を浴びているという(週刊ポスト:12.15号「メタルカラーの時代」)。
何故、沖縄かというと、台風の襲来が多い沖縄県の農業は、サトウキビを中心にするしかないそうだ。他の作物は風速30〜40メートルも吹けば、なぎ倒されて全滅。だが、サトウキビは強風に強い。倒れてもL字型に上に伸びていき、しかも土壌が肥沃でなくても育つ。宮古島は65%が畑地で、その85%がサトウキビ栽培という。

これまで、サトウキビから砂糖をとった後に残る糖蜜は、牛の配合飼料に混ぜられていたが、タダ同然だった。そこで(株)りゅうせきが、環境省に働きかけ、さらには農水省経産省も動いて、上記のプロジェクトは始動したという。製造プラントには、物産ナノテク研究所、熊本大学、ヤンマー、産業技術総合研究所などが先進の技術を投入し、高生産性を実現するための酵母による醗酵技術、省エネ型の濃縮脱水技術、高効率の排水処理技術など徹底したエコプラントを目指しているという。だが、私のような素人には、ラム酒の製法と何処違うの?と思われる。

ネットで調べてみると、醗酵槽でできた濃度10%のエタノールを、99.6%以上の濃度に上げるための工程の最終で、エタノール/水分離膜として、ゼオライト膜を使うのがポイントのようである。