テレビの軽い話し、重い話し


冬雨に閉じ込められて、ほぼテレビ漬けの一日。

20数年ほど前に、清純派アイドル女優だった石原眞理子(42)が、今までの半生を記録した小説風暴露本「ふぞろいな秘密」をごく最近出版したという。
午前は、その本の内容を知りたくて、彼女の出演番組や、昨夜の録画を視た。彼女は、芸能界復帰を望んでいるようである。そのための第一弾なのだろう。だが、詳しくは本を読んで下さいといって明かさない。昔、愛人関係にあったといわれる玉置浩二中井貴一、明石やさんま等の13の人気タレントの名前は、テレビ局の都合で明かせないのだろう。それが理由で今後出演を拒否されたら大損害になる。
この本は、アマゾン売り上げランキング第1位で、プレミアムがついても、中々買えないそうだ。平和大国日本がおかしいというか、どろどろした芸能界の恥部を公開した功績が大なりというべきか。よく分からない一幕である。


と思うと、午後偶然に視た、NHK ETV特集「祖父の戦場を知る」は重たい。私とほぼ同年代の老人が、今まで秘めていた{戦場でいかに苦労したか}の体験を、子や孫に語り始めた。命令に従ったとは言え、自分が戦場でこんな残酷なことをしたとは言えなかったらしい。その気持ちはよく分かる。だが、イラク戦争や、靖国を巡る最近の中国関係の悪化などに触発されて、生きている間に証言をしようと決心したという。その中で農家の貧しい3,4?男坊だったある祖父は、食うため、また将来軍隊で出世して恩給で暮らすために、昭和12年に志願して兵隊になったという。太平洋戦争が始まった後なら、志願しなかったかもしれないという。愛国心も一部にあったかもしれないが、本心は保身のためだったと、正直に語っていたのが特に印象深かった。一歩間違えば、自分も彼らと運命を同じくしていたかもしれないと思うとゾーットした。そして要領の悪い私は、とっくに散っていたろう。


戦後間もなく、無事帰国した叔父に軍隊での武勇談を好奇心で尋ねたら、「軍隊は要領だよ」との、ぶっきら棒な答えしか返ってきなかった、その意味が最近分かってきた。生きて帰れたのは、要領がよかったからだという意味だろう。また残忍な体験は話したくなかったのだろう。