牛丼吉野家Q&A


12月1日から牛丼販売を本格的に再開した吉野家について、質問と答え:



Q1:吉野家という屋号の由来は?
創業者松田栄吉の生まれ在所である大阪は安治川のほとりの“吉野”村から採った。
Q2:創業は何時、何処で?
明治32年、日本橋がまだ木橋の頃にここに屋台を出した。当時近くに魚河岸(後で築地に移る)があり、帝都の最も繁華な場所だった。

Q3:味の秘密は?
非公開。多くの人の分析によると、
牛肉、タマネギ、白ワインが主体で、あとは調味料、オニオンエキス、ガーリック、ホワイトペッパー。酒精、カラメル、生姜、それに醤油、砂糖、塩。
大量に煮込むことで、肉からの脂肪とタマネギからの汁が味をつくっている。米は北海道産「きらら」。

Q4:なぜ牛丼ひとすじなのか?
「単品主義」を究極まで練り上げると、高利益を確保できるから。肉質、米質を良くし、同業者の値引き合戦にも参戦しながら、味と客回転の効率とブランドと商品を、シンプルに磨きあげているうちに「牛丼ひとすじ」の強みを知った。
Q5:食券販売機がなぜないの?
お客が食べ終わってから会計をする。そのあいだに「ありがとうございます」と言えるから。また「あっ、タマゴと漬物も欲しいな」と思ったとき、食券ならまた立って機械に向かわなければならないから。

Q6:糸コン、豆腐などがついてないのは?
そんなものがくっついていては、作るのはむろん食うにも箸の動きが鈍くなる。早い話が、ちゃちゃと食ってちゃちゃと帰って頂いて、回転率をあげて、狭い店で年商をあげるため。

Q7:一度潰れたことがありますね?
タレを粉末化し、肉も冷凍半乾燥にしました。技術革新と、徹底的な合理化路線を敷いたのです。しかも、店が増えれば、社員を大量採用し、教育研修にも投資しなければならない。味が落ちて、客足が遠のき、資金繰りが苦しくなったのです。

Q8:どのようにして再建したのか?
セゾングループのファーストフード分野に組み入れられた。そこから再建に向けて血のにじむ努力が始まった。元はアルバイトで入った人である安倍修二さんが、平成4年に社長になってから、「早い、うまい、安い」から「うまい、やすい、はやい」に替えた。なによりも肉質の向上が再建にキーワードだった。



以上は、「週刊ポスト:12.15号」からでした。全てを合理的に考えて商売をしても、真似される。そして失敗することがある。水(食)商売に限らず、経営は難しい!!