高校の必修科目未履修問題


昨日の冷たい木枯らしと違って、今日は暖かく穏やかな初冬日和、鬱陶しかった外壁塗装も、一昨日にやっと終わったので、昼食後に気晴らしに藤沢に出た。ダイヤモンドビル一階の古本屋で、「21世紀の学校はこうなる:寺脇研」、「これからの10年、新黄金時代の日本:ビル・エモット」、「日本銀行の敗北:石井正光」、「医者のホンネ:柴田二郎」、「むくどり通信:池澤夏樹」、「反秀才論:柘植俊一」など文庫本を計6冊買う。今後ゆっくりと読もう。

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週刊ポスト:12.1号」に、「行列のできる法律相談所」などでおなじみの弁護士橋下徹氏と、爆笑問題太田光、田中祐二の3人による、法律時事放談が載っていた。ポイントを突いていて面白く参考になるので、要点をメモした。


爆笑問題による、弁護士の悪口から始まり、それに対して、
『橋下:法律そのものは、少数の人間が、大多数の人間を従わせるための道具なんですよ。「はい、そうですか」って簡単に従うのって、バカらしくないですか?』
という反論が続き、話は「淫行条例」批判から、以下のように、未履修問題に及び、

『橋下:ついこの前の高校の必修科目の未履修問題。「未履修だ。未履修だ」って大騒ぎだったんだけど。論調は、「未履修は学習指導要領に違反している。だから、ルール違反だ」ってことだったでしょう。
田中:うん、たしかに。
橋下:ここで、じゃあ違反とされる「学習指導要領」を考えてみると、これだけ未履修が発覚しているのに、誰ひとりとして困っていない。だとすれば、「学習指導要領」というルールに、意味はない。
太田:なるほどね。ルールそのものに意味がなけりや。ルール違反もへったくれもない。
橋下:まさに、そのとり。
田中:だよなあ、昨年も全国規模で未履修だったのに、なんらの不都合も生じてない。けど、大騒ぎだったもんね。
橋下:いかに、ルール違反=悪ではないってことですよ。騒ぐ必要は、全くなかった。
太田:だからって、「未履修、問題なし!」とか見出しを打ったら、たいへんだよな。
田中:無理ですよ。「不公平を許すのか!」って理由で、騒ぎになるでしょうね。
太田:未履修問題で、やたら「不公平」って言葉が飛んだんだけど、その不公平が、「授業受けた生徒が不利」って、なんだと思ったね。どう考えても逆だろう。
橋下:はい。文科省が出した「基本、70時間」って救済策のときも、同じく「履修した生徒が不利にならないように」でしたけど、やっぱりわかりませんよ。(中略)
太田:でも、未履修問題で、文科省以下、教育委員会や学校が非難の的になったけど、結局、どっこも悪くないって話だろう。
橋下:ですね。本当の意味で問われるとしたら、調査書の虚偽文書作成。全国の校長が虚偽公文書作成になりますが、まず、告発されないでしょう(笑い)
田中:そんなもんなんだ。
橋下:公務員には甘いんですよ。社会保険庁の不正な年金免除申請もいまだに不問ですが。あれも完全な私文書偽造。本来ならホリエモンインサイダー取引より罪ははるかに重いんです』
最後に『いじめ問題』で終わった。

私は、かねて「学習指導要領」などによる、全国画一な教育に疑問を抱いていたが、旨く表現できないまどろかしさを感じていた。それで、3人の放談で意を強くした次第である。