ゆとり教育は欧米の真似

東大鎌倉淡青会の今月の講演会(三金会)に出た。
講演者は、田丸謙二氏(元東大副学長、理学部化学科教授)で、予告の演題は「東大生とこれからの教育」であったが、実際は「『ものしり』から『思考力』の時代へ」であって、きれいなプリントが配られた。これを要約すると、
「一般に日本の風土として、creativeを育て、評価する風土が大変乏しい。
米国を始め先進国では、15年以前からコンピュータの時代に備えて、理科を探求的に考える理科に変えた。これを社会や歴史など人文的分野のも拡げた。『覚える知識』の量は減らしても、『探求的に考える教育』に変貌させた。
それを真似して取り入れたのが『ゆとり教育』である。『詰め込み教育』はあっても『自分で考える風土』が乏しい日本ではうまくいかなかった」

講演の後に昼食を挟んで、「宗教心の養成が大事」、「文部科学省が悪い」、「少数の超エリート教育を行うべき」、「特に化学の分野では、ノーベル賞級研究は偶然の発見を見過ごさないことによって成功した例が多いが、これをcreativeに関してどう考えるべきか?」、「東大の理一の定員が多すぎる」、「creativeよりリーダシップの養成の方が大事である」など、喧々諤々の意見が出て纏まらず、大変面白かった。

なお講師のお嬢さんは、「品格」で有名な藤原正彦先生の奥さんであるのを今日初めて知った。

閉会後、小町の鎌倉ゴルフサービスを訪ねて、手持ちのゴルフ会員権の処分について相談した。ここのオフィスのある場所は、鎌倉幕府の跡地であるというと興味深い話を聞いた。