日本版ミサイル事始め

鎌倉を中心とする地域の東大OB同窓会組織である「鎌倉淡青会」に最近入会した。今日は、その定例昼食会「三金会」に初参加した。
場所は、鎌倉駅前の茶寮「いの上」で、10時30分から。今日の話題および講師は夫々、「和製ミサイル事始めー戦時研究の想い出―」、廣田 豊氏(17工)。参加者は20名位。


ミサイルというから所謂ロケットかと思ったが、そうではなく、赤外線感熱によるサーボコントロール爆弾であって、目的は自動必中だったそうである。研究は、本格的な研究所ではなく、牛込若松町の旧九条公邸で行われたとのこと。お粗末なものである。結果は無残な失敗。こんな有様では、アメリカに勝てる筈はなかったと、改めて感じた。スピーチの前後に、知性のある発言が多く、愉しかった。
来月は、昼食会の他に、「海洋研究開発機構横浜研究所;地球シミュレータ」の見学会があるとのこと。また暇つぶしができそうだ。楽しみである。

12時半に会が終わり、駅前広場に来たら、江の島行きのバスが丁度出発しようとしている所だったので、慌てて飛び乗った。秋らしい穏やかな日和なので、真っ直ぐ帰宅するのは勿体なく、鎌倉山高砂で下車し、ロータリまでだらだらの下り坂を歩いた。ロータリ近くの「ゆすらうめ」という喫茶店に入り、フルーツパイとハーブティーをとりながら、備え付けの「鎌倉山」という小冊子を読んだ。昭和初期から戦後にかけて若き日に、ここ鎌倉山の別荘に住んだ人たちの、古き良き日への郷愁がそこはかとなく書かれており、良き環境を破った移住者の一人として、一寸複雑な気持ちになった。