起源のインターネット

小笠原諸島を通過中の台風18号の影響で、やや冷ややかな強い風が吹く。
家内は、山陰は松江市で開かれる中学同窓会に出席のため、今朝早くいそいそと出ていった。2泊の予定。

一人残された小生は、読みかけの「起源のインターネット」をひたすら読む。意味が分からないが、およその想像がつく専門用語が次々と出てきて難渋した。“あとがき”で、本書は、著者の修士、博士論文を基にしているとのこと。道理で門外漢の私には難しいと思った。

ゼロックス社が1970年に設立したバルアルト研究所で、アルト・システムが開発され、経営陣間の軋轢によって1983年に、研究所が解体されるまでのドラマが克明に画かれている。
アルト・システムとは、大型コンピュータの時分割処理システムを、端末に処理能力と記憶容量を持つコンピュータを配したネットワークに置き換えるという構想のもとに作られた(p.136)そうだ。すなわち今のインターネットの原型となるものである。それまでの端末は、テレタイプと呼ばれるタイプライター型の入出力装置であった。

アメリカのソフトウエア研究者の、層の厚さと研究の自由度の高さを羨ましく痛感させられた。この間、日本はモノ作りの研究開発に専念し、鉄鋼、テレビ、半導体、液晶表示器、自動車などの分野でアメリカを追い越し、そのため日米貿易摩擦で悩まされ続けた。第五世代コンピュータなるものの開発を試みたが、旨くいかなかった。

この本でアメリカの強さは、ソフトウエアにあると改めて認識したが、現在この分野でインドの追い上げを受けている。今アメリカのソフト産業を支えているのは、インド人だといわれるが、そうなると、超大国アメリカは、強さを何処に求めて行くのだろう? 医療の分野でもインド人に頼っていると聞く。
日本、インド、欧州、ソ連、中国などの技術を旨く抱えこんで、綜合していくことなのだろうか?


Amazonから、“あさみ ちゆき“のCD「青春のたまり場/恋華草〜おれとあたし〜」が着いた。
カバーの右端に下のように、阿久悠の一筆が添えてあった。
モノクロームの想い出の中で、一点鮮やかなパートカラーが青春です。彼女はそんな心の時代の、限りなくやさしい語り部です。」