タミフル(続)

昼下がり、秋の珍しい暑さが緩らいだころ藤沢のイトーヨーカ堂へ、先日頼んだスライドのプリントを受け取りに行く。50年前ほどのスライドで、少し黴が生えているのが気になっていたが、まあまあのプリントができていたのでほっとした。今では珍しい淡いピンクが基調のモノカラー写真である。これらをデジカメで接写してから、パソコンに入力した。これで何時でも、若かりし時の面影を偲ぶことができる。

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10月3日に紹介した、「タミフル」製造に使える不斉触媒はランタンーリチウム・ビナフトール錯体という舌を噛むような名の錯体とのことである。別名LLB触媒とも呼ばれる酵素である。体の中で使われる酵素の分子量は数万〜10万と大きいが、これは1000程度と小さい。この触媒を使って「タミフル」にチャレンジしたのは昨年暮れ頃のそうで、案外早くでき、今さらに簡単な作り方を研究中とか。この辺りの公開は微妙なのか、言葉を濁していた。

柴崎教授は、人類が月や火星に移住する時代が将来必ず来ると信じているようである。この位に白昼夢を見ることができる研究者でないと、ノーベル賞とまで言わなくても、それに近い業績をあげることは難しいのであろう。

以上は、「週刊現代:10月20日号」の『メタルカラーの時代』からでした。正直言って私には、化学的内容がよく分からなかった。ただ、近い将来「タミフル」が安価に量産できるようになるだろう、従って新型インフエンザの恐怖は取り除かれるだろうということは理解できた。