そごう美術館

遅れて来た夏晴れの二日目、横浜のそごう美術館で開催の「京都国立近代美術館所蔵『洋画の名画』展」を見に行く。

横浜駅西口は、現役の頃約30年間通勤の拠点だったので懐かしく、暑さをものともせず、付近を暫く散歩する。横浜三越は、ヨドバシカメラの店舗になっていた。栄枯盛衰か。
少しへばった所で相鉄ジョイナス入り口付近にある甘味処立田野で、熱した体を冷やすため、ざる茶そばを食す。ここは昔よく餡蜜を食べに行った所で懐かしい。今は釜飯で有名なのか、釜飯を食べている人が多い。


美術館は空いていてじっくりと鑑賞できた。須田国太郎の絵が数点並んでいる前に広い坐席があったので、腰掛けて眺めていたら、すぐ隣に私とほぼ同年配の老人が坐った。「これらの絵は暗いですね」と声をかけたら、「丁度目の前の『校倉』は、古い建物の感じが出ていてとてもいい。これが一番好きだ。旨く配置してある」と仰せられた。それで、「ご専門ですか」と恐る恐る伺ったら、須田画伯と同じ頃パリーにいたお医者さんとのこと。この方パリーで石の建物ばかり見てきたので、日本風の木の建物に郷愁を感じるのでなかろうかと、後で思ったりした。

絵は、どんなものでもホテルや事務所などに掲げられているのをじっくりと見るといいなあ!と思う。しかし、展覧会で多数の絵を次々とみせられると、名画といわれるものでも、私には平凡にしか思えない。恐らく私に鑑賞眼がないせいだろう。

出口のミュージアム・ショップで、「小磯良平画文集;絵になる姿」を買う。私は小磯の絵が好きだ。この世に居そうで、いない無垢の美女(日本版マリア?)を描いている。

近くのカフェ・テルフィで、コーヒ(キリマンジェロ)とケーキ(木苺のムース)を取り一服する。老女達でほぼ満席。値段が少しお高いせいか、若者たちはいなかった。


駅へ出る途中は、母子連れなどで凄い人出。夏休みに入ったせいか!少子化といいながら、子供は結構沢山いる。まだまだ大丈夫。