「東大に入る」ということ「東大を出る」ということ(1) 

今時の東大卒若者の考えを知りたいと思ってAmazonにオーダした、上記タイトルの本(2003年12月発行)が着いたので、
早速第一部「この日本社会のムナクソワルサ(中島敏:2000年東大法卒、電通に入社するも3ヶ月で退社)」を読む。


筆者は、東大卒に多い天動説的(自己中心的)若者で、カッコヨサに価値を見出している。そして今世紀初頭の活気のない日本の現状を、戦後教育の劣悪のせいにしている。

彼は、戦前、戦中の教育がいかにお粗末だったかを知らない。それも仕方ないことかもしれない。体験で知っている者は殆どこの世を去ったか、もしくは第一線を退いているのだから。
戦前、戦中は教育勅語によって思想の自由が無く、天皇を神と崇めておれば無難な時代だった。赤紙一枚で徴兵され、自由と人間の尊厳を奪われ、死の危険に晒された。貧しい上に、軍人が威張っていた戦前、戦中の日本社会のことは、思い出してもムナクソワルイ


それに比べれば、多少の不満はあるものの、今の日本社会は天国である。