映画:オリオン座からの招待状

gladson2009-03-31

オリオン座からの招待状(2007年)をみる。

町(京都)の映画館・オリヲン座は、毎日、たくさんの人で賑わっていた。経営しているのは映写技師の豊田松蔵と妻・トヨ(宮崎りえ)だ。ある日、一人の青年が映画館にやってきた。映画を観たくて仕方がないが、お金がない。トヨはその青年を「途中からだから」と言って入れてやった。上映が終ると、その青年、留吉は松蔵にここで働かせてくれと頼み込む。留吉は熱心に働き、映写技師となる。しかし、松蔵が急死してから、映画館は段々寂れるように…。

“泣ける作家”として国民的人気の浅田次郎原作の「鉄道員」に収められた短編小説を『MISTY』の三枝健起監督が映画化。昭和30年代の映画黄金時代から、映画が斜陽になり、現代に至るまで、亡き夫から受け継いだ映画館、オリヲン座を守る妻と映写技師の純愛を描く。昭和30年代を描いた映画がヒットしているが、湿り気のある映像は、まさに昭和そのものだ。劇中、上映されている映画として『無法松の一生』『二十四の瞳』『ひめゆりの塔』など、名作の映像が流れるなど、和製『ニューシネマ・パラダイス』と言ったところ。主演の宮沢りえが『たそがれ清兵衛』、『花よりもなほ』に続き、愛する男性を陰で支える献身的な女性を好演している。