小沢秘書逮捕の怪、疑惑

gladson2009-03-07



6日付読売新聞14版1面トップは、「元秘書」という表現で、自民党岩手4区支部長で次期衆院選自民党公認候補予定者、高橋嘉信衆院議員が、陸山会会計責任者だった1995年頃、西松建設東北支店との間で献金額やダミー団体を使った献金方法を取り決めていたと報じました。


 高橋嘉信自民党公認候補予定者は西松建設に対して「他のゼネコンではこのくらいは献金している」などと具体的な金額を示しながら、献金額の積み上げを要求。西松はこれを受けて、年間2500万円前後を毎年献金する約束を取り交わし、1995年西松建設のダミー団体「新政治問題研究会」も利用することにした、と報道しています。

 高橋支部長は、小沢一郎さんの政策秘書を経て、2000年比例東北ブロックから衆院議員になりました。しかし、その後も「衆議院議員 小沢一郎 秘書 高橋嘉信」という不可思議な名刺をつくり、ゼネコンにあいさつに来させ、「小沢には私から言っておきます」と述べながら全く連絡しないという行為を繰り返していたそうです。

 小沢さんはそのことを知ったものの、秘書としての苦労を考えて、そのままにしていたものの、態度が傲慢になった高橋さんが、藤井裕久さんの前をあいさつせずに通り過ぎるのを目撃し、事実上の破門になったという経緯があったようです。

 その後、高橋さんは市長選出馬(落選)を経て、小沢さんの小選挙区での対抗馬として自民党岩手4区支部長に就任しています。マスコミでは「大型刺客」と話題になりました。


高橋嘉信(たかはし・よしのぶ)さんは昭和28年9月5日生まれ。主な経歴として、自民党岩手県連改革本部長代行、(元)環境常任委員会理事、農林水産常任委員会委員、衆議院議員(東北比例)、衆議院議員小沢一郎政策秘書と記されています。

 報道が事実なら、自民党は巨大ブーメランにはまった格好。小沢一郎の掌で踊る小沢一郎劇場で自爆したことになります。

 「小沢さんの元秘書という問題はないの?」と思う民主党関係者もいるでしょうが、今後、「高橋嘉信」という人物像が周辺から明らかになれば大丈夫です。まだまだ問題ある人物のようです。

 世の中なんでも「小沢一郎民主党」を中心軸にして回り出したようです。とはいえ、もう少し事態の推移をていねいに見ましょう。

 ◇

 6日付朝刊各紙によると、漆間巌(うるま・いわお)官房副長官(事務、元警察庁長官)は5日夜、首相官邸で記者団に対して「自民党側は立件できないと思う。特に(違法性の)認識の問題で出来ないだろう」「(陸山会会計責任者の場合は)西松建設への請求書があった」「西松建設から献金を受けた認識があるという傍証がない限り(自民党側の立件は)難しいという意味だった」と述べたそうです。

 これは法務省東京地検特捜部が進める「西松建設裏金事件」で、民主党小沢一郎代表の公設第一秘書の身柄を確保し、取り調べているが、今後、自民党議員に捜査は進展しないとの考えを示したと思われます。

 官房副長官がこのような見通しを記者に話すのは、検察の独立性・中立性を損ねるおそれがあると同時に、麻生官邸が今回の捜査について検察から情報を受けている可能性を示唆しています。

 今回の陸山会への強制捜査国策捜査であることの証明であり、政府・自民党がついに尻尾を出した格好です。



漆間巌官房副長官警察庁ホームページから]


 首相官邸と内閣記者会は、記者会見ではなく「懇談」形式の取材の際に

 政府首脳=官房長官
 政府高官=官房副長官(事務)
 首相周辺=総理秘書官

 との主語で報じることになっています。「懇談」の席上、本人がOKした場合は、実名で報道できることになっています。

違法献金事件、自民に拡大せず=政府高官が見通し(時事通信) -