麻生政権はがけっぷち

内閣支持率が急落し、求心力低下にさらされる麻生太郎首相に対して、自民党から公然と反発の声が噴き出している。

執行部の一角の石原伸晃幹事長代理が5日、自身のパーティーで「麻生政権はがけっぷち」と述べ、小池百合子元防衛相も民放CS番組で「来年あたりは新党がぽこぽこできるかもしれない」と語った。

次期衆院選を前に「麻生降ろし」や自民党に見切りをつけた議員の「離党=新党結成」が出てきてもおかしくない−との見方が党内で広がってきた。


倒閣宣言?

 「えっ、これは倒閣宣言なのか」

 自民党若手は5日昼、次のように語る石原氏のあいさつに耳を疑った。

 「自民党議員の7割から8割が『麻生政権で選挙をやって与党でいられるのか』と疑問を持っている。自民党はがけっぷちだ。麻生政権もがけっぷちかもしれない」

 幹事長代理という要職の幹部が首相を酷評するのは異例。石原氏は首相と距離を置く山崎拓元副総裁が派閥会長の山崎派メンバーだ。山崎氏は「石原さんは将来の総裁候補と大いに認知されている。節目節目で決断と実行のできる政治家だ」とあいさつした。

 これに対し、細田博之幹事長は「石原総裁実現に向けて頑張ろう」と持ち上げつつ、「その前に(麻生)政権を失ってはならない」と述べたが、石原氏の発言を抑えられなかった。