東大初のプロ野球選手:小林至さん

3月10日(木) 小雨→晴
24℃、35%(就寝前加湿)、25℃セット
7℃(朝外気温)、16℃(朝室温);9℃(外気温)(12.00)


ローソンへ文芸春秋4月号とAERA3.17号を買いに行く。空気が頬にやや冷たい。


前者には、まだ詳しくは読んでいないが、立花隆氏の膀胱ガン体験記が図解入りで詳しく載っている。どうも彼によれば、煙草と農薬などの環境汚染がガンを誘発するそうだ。高校、大学の友人で生き残っているのは、ガン未体験者ばかりだ。ガンにはかかりたくない。


映画「俺たちに明日はない(1967年)」を録画で視る。興味本位のギャングものだが、迫力があり、最後まで視てしまった。この頃の映画は性が抑制されていたようだ。最近の映画なら当然あるべきシーンがない。数々の暴力シーンにもかかわらず、それがこの映画全体を美しくしているのかもしれない。アメリカの広大さと、個人の力強さには改めて感服した。日本人が彼らのダイナミズムを凌駕するのは不可能だろう。品よく、おとなしく素直なのが、日本の生き残る途なのかもしれない。



AERAの特集記事「東大卒の『人生格差』」を読む。90年前後のバブル期以降の卒業生の中、特異な人生を歩んだ10数人が挙げられている。懐かしいのは、ロッテに入団して東大卒初めてのプロ野球戦手となった小林至さん(40歳)。入団後間もなくクビになったと聞いていた。その後どうしているかと思っていたら、2000年1月に、ネットへの彼の「日本人に生まれてよかった」というタイトルの投稿記事を発見した。米国フロリダ州 The Golf Channel社勤務とあった。クビになってから、野球を離れることに著しい虚脱感を覚え、渡米してコロンビア大学でMBAを取得し、以後アメリカに住みついて、このテレビ局に勤めていた当時の、「アメリカより日本の方がよい」という長い感想録である。そのコピーを再読したら、会社員の酒呑みながらのグチ話と取れないでもない内容である。しかし心を打つものがある。ノーチャンスの一般会社員にとってアメリカン・ドリームとは、株と宝くじで一儲けすることのそうだ。米国社会の著しい格差を実例をあげて批判している。

その小林氏は帰国して、福岡ソフトバンクホークス取締役となり、三度の飯よりも好きな野球界に戻って活躍しているそうだ。この特集最初の頁を飾る安田講堂を背景にした、満足そうな彼の写真に付け加えられた「東大だったからプロ野球に入れた。実力と話題の差はわかっていたけど、それでもよかった」という言葉が印象的である。「日本人に生まれてよかった」を実感させる写真である。