考える作家

12月27日(木)晴れ
21℃、39%(就寝前加湿)、23℃セット
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NHK総合が昨夜放映のものを録画した録画「ドキュメント:考える作家」を視る。ベストセラー作家石田衣良が童話を作る過程が描かれていた。

出だしのシーンで驚いたのは、広く明るい仕事部屋。目黒にあるマンションの角部屋らしい。30畳以上とおもわれる大部屋の壁面に作りつけの本棚は綺麗な本や飾りで一杯。その奥に大型パソコンが載った大机が控えている。音響施設も完備しているようだ。

流行作家石田が「自殺願望を持つ少女が自殺を止めたくなるような童話」を48時間内で作るように求められる。ただし広辞苑から任意に選んだ3つの言葉をサブ・テーマに入れて。偶々この日選ばれた言葉は、ガチョウ、草書、光学。

このような条件で、どのようにして童話、物語が生み出されるか、その過程がドキュメントされていた。

それにしても羨ましいのは流行作家の生活である。誰にも頭を下げる必要がない。大会社の部長になっても、社長に頭を下げなければならない。部下に気を使わなければならない。社長は株主や顧客に頭が上がらない。総理大臣になっても、選挙民にお願いをしなければならない。国会では、野党議員にくそ味噌に叩かれる。

流行作家は、編集者にお願いされて、黙々と、時には好きな音楽を聴きながら、パソコンを叩いて作品を生み出せばよい。作品のできによっては、批評家に誉められたり、けなされたりするだろうが、新聞や雑誌の上での間接的なものである。一々気にする必要がない。

しかし誰でも作家で飯が食えるわけではない。天稟の才能と努力、運に恵まれなければならない。石田氏も40歳前後になって初めて芽が出たと聞く。何といっても羨ましいのは、立派な仕事部屋をもち、次々と来る依頼を精力的にこなす今の石田氏の仕事と生活である。息抜きのお金には不自由しないであろう。